ゲルググ 【MS-14S(YMS-14)】

型式 MS-14S(YMS-14)
所属 ジオン公国
重量 53.5t
頭頂部 19.5m
出力 1,440kw
推力 79,900kg
装甲材質 超硬スチール合金
搭乗者 シャア・アズナブル  アナベル・ガトー 他 ジオン一般兵

ゲルググの開発コンセプト

ミノフスキー理論を応用した技術では、地球連邦より10年進んでいると言われていたジオン公国軍。

しかし 小型ビーム兵器の分野では、開発に遅れを取ってしまいました。

そのビーム兵器を搭載したガンダムの活躍を目の当たりにしたジオン公国軍は、急ぎ開発を強化。

ビームを携え、ガンダムと互角に渡り合えるモビルスーツの開発を実施します。

長期戦と統合整備計画

開戦から活躍を続けてきたMS-06 ザクⅡは、ジオン公国軍の主力機として当初、恥じない性能を有していました。

しかし 南極条約を経て、V作戦の発動により地球連邦軍の体制が整い始め、モビルスーツを次々と実戦配備。

この事で ジオンが優位であった戦力差のビハインドが解消され、さらに戦争は長期化の様相を強めていきます。

これを受け、ジオン公国軍は国力の少なさ(地球連邦の1/30程度)を補いつつ、モビルスーツの整備性向上と建造コスト削減を主な目的とした統合整備計画を発動。

長期戦に備えつつ、徹底抗戦の構えをとります。

遅すぎた高性能機 ゲルググ

統合整備計画は「数」を整える意味では有効な手段です。

ただ、追随される技術や戦力の「質」を高めるには、性能の限界が見え始めたザクに変わる 主力量産モビルスーツを開発しなければなりません。

発動された統合整備計画の方針に則り、

新しい機体に求められるもの

  • 既存モビルスーツを踏襲しつつ、更に高性能である事
  • ビーム兵器の標準装備
  • 量産化

ジオン軍は、この良いトコ取りの目的を同時進行する難しい局面に立たされてしまいました。

これまでの主力だった ザクやグフ、ドム等のコンセプトも踏襲。

ギャンとのトライアウトを制したゲルググは、この計画初期に主力量産機としてプランされます。

ただ 生産ラインの調整や、ビームライフルの装備に不可欠なエネルギーCAPの量産には まだ時間が必要でした。

その間は統合整備計画から除外されていたリックドムが主力機として配備され、最終的には終戦間際のア・バオア・クーに、量産されたゲルググ 740機のほとんどが投入される事になりました。


ぴろすけ

一年戦争 最終決戦の地「ア・アオバ・クー」
終戦1ケ月前にようやく配備されました。

ガンダム化に成功したゲルググのビーム兵器

ビーム兵器を所持できず、実弾兵器を基に武装されたジオンのこれまでの主力機は、地球連邦軍の量産機 ジムを撃破する事も容易では無くなりつつありました。

ハロAI強化ver.

ジムの装甲はチタン合金が採用されていたヨ。
地味にハイスペックなんだナ。

その問題を解決すべく ゲルググの開発コンセプトを簡単に言うと、

ジオン軍

お手本はガンダムでモビルスーツを造ろう!

と言う事です。

やがて ビーム兵器を装備できる高出力ジェネレーターとエネルギーCAPの量産に目処がつき、ついに量産型ゲルググがロールアウト。

ここで、お手本としたガンダムの主なスペックと比較してみると、

ジェネレーター出力 スラスター推力 重量
ゲルググ 1,440kw 79,900kg 53.5t
ガンダム 1,380kw 55,500kg 43.4t

ビーム兵器を標準装備する事を目的として開発されたので、ジェネレーターは申し分ない出力を有し、スラスター推力についてもドムに見られるホバーリング機能を継承し、重力下でも運用できる万能性を確保。

これらの性能についてはガンダムを上回っています。

しかし これらの性能よりも決定的な差となってしまう、ガンダムにはあってゲルググにはない技術的な問題があるのです。

真似できなかったフィールドモーターシステム

TV版ガンダムのテキサスコロニーにおいて、ゲルググとガンダムが一騎撃ちを行い、互角の戦いを繰り広げるシーンがあります。

ただ この時、パイロットであるアムロ・レイの反応能力に対し、機体のレスポンスやフィードバックが遅滞すると言う事象が発生。

それを改善すべく機体にマグネットコーティングを施し、ガンダムは運動性能を3割ほどUPすることに成功し 問題を解決しました。

ムーバブルフレーム モノポール マグネットコーティング

ガンダムはミノフスキー技術を応用した「フィールドモーターシステム」という当時、最新の駆動システムを採用していました。

この事で、同じくミノフスキー技術を応用した「マグネットコーティング」を施すことが可能です。

しかし、一方のゲルググはザクと同様、建設重機の駆動システムを応用した比較的古い技術の「流体パルスシステム」を採用していました。

仕組み上、マグネットコーティングを施すことができない事と、構成する部品が多いので重量が嵩んでしまうのです。

ジオン公国軍はガンダム化を目指しゲルググを完成させ、一時的にガンダムと渡り合う性能を有する事ができました。

しかし より優れた最新の駆動システムを採用していたガンダムは、さらにゲルググの性能を突き放す結果になったのです。

ぴろすけ

レスポンス向上に加え軽量なので、俊敏で身軽なのです。

ただ、ゲルググはジムに対抗できる性能は確保していました。

しかしながら、実戦投入のタイミングが終戦間際の11月下旬であった事。

また、パイロットのほとんどが学徒生であった為、その性能が発揮されぬまま 数多くの機体が撃破されてしまいました。

ゲルググとその派生機

ジムは一つの機体から多くのバリエーション機を生み出しました。

ゲルググも統合整備計画によって生産された機体なので、部品の互換性や整備効率化が良好だった事から多くのバリエーション機が存在します。

しかし、終戦を迎えそれらは表舞台で活躍する事は殆どありませんでした。

ハロAI強化ver.

MS-14F ゲルググ・マリーネ
海兵隊の特殊任務用としてプランされた機体だヨ。

ぴろすけ

MS-14JG ゲルググJ
ゲルググマリーネの改良版で狙撃任務に適した機体。
「J」はイェーガーの略で「狩人、猟人」の意味。

<

ハロAI強化ver.

MS-14B/C ゲルググ・キャノン
ジョニーライデン少佐機 真紅の稲妻の異名を持つ。
他のゲルググと違い、バズーカやキャノン砲も装備していたヨ。

ぴろすけ

MS-14Fs ゲルググ・マリーネシーマカスタム
ゲルググ・マリーネをシーマ中佐専用にカスタマイズした機体。

ハロAI強化ver.

MS-14A ゲルググ アナベル・ガトー仕様機
ソロモンの悪夢の異名を持つガトー大尉専用機だヨ。

まとめ・考察

ゲルググについて記述しました。

地球連邦に比べ、技術分野において10年先に進んでいると言われていたジオン公国軍。

しかし それは連邦に追いつかれ、基礎技術も凌駕されてしまいました。

ジオン公国軍はゲルググの開発の後に、MS-11 アクトザクと言う機体をロールアウトさせています。

これはジオン公国軍が始めてフィールドモーターシステムを採用した機体で、流体パルスシステムの性能が限界に近づいている事を鑑み開発を実施。

しかし 直後に終戦を迎え、表舞台に出ることはありませんでした。

ハロAI強化ver.

フィールドモーターシステムが採用された「アクトザク」だヨ。

ゲルググは結局、ビーム兵器搭載まではガンダムに追いつく事が出来ましたが、駆動機構と装甲材はお手本として真似る事が出来ませんでした。

アクトザクがロールアウトした事実もあるので、ゲルググに間に合う様に もうちょっと頑張れんかったかなぁ~。。

ぴろすけ

すんません。
以上 余談でしたー。



6件のコメント

ガトー機のライフルはようやく完成した試作型(ソースはMGの取説)、キャノンは水陸両用機のメガ粒子砲システムを流用した付け焼き刃、マリーネは後に部品枯渇でザクの装備で食い繋いでいる…と、各機体の武器を見てるといかにビーム兵器の小型化と生産に難儀していたかが見て取れるようです。
サイズだけでも試作型と量産型では、人間で換算すれば前者が対物ライフル、後者がカービン銃くらいの差がありますからねぇ

名無しの一般兵さん
コメントありがとうございます。

連邦とジオンに、ビーム兵器開発の遅れや差を これほど明確にしたのは、ストーリーを鑑みて原作者が意図的に設定したのか?
と言うのが気になります。
後付設定が多いと言われるガンダムですが、このビーム兵器の差は最初から明らかです。
一見、細かい差なのですが、実は物語の大きなポイントになるのが、ビーム兵器だったのか否か。
「奥が深い」ですよね。

どこかのサイトでも論争があったのですが、ゲルググの重量が異常に軽い!!
装甲材の違いからして、現実のスチールはチタン合金より1.7倍重い。
強度は3倍くらいでしょうか。
ザクがガンダムより10t重いのは装甲材のみが違うと考えても当然でしょう。
なのにゲルググはガンダムの重量に寄せている。
これは装甲ペラペラってこと。
ゼロ戦みたいな感じなのではないでしょうか。
バルカン砲でも打ち抜かれます。
その他の弊害としては剛性不足による運動性能の制限かも。
急回避や急旋回はできないです。
性能がよいというのはただの戯言では?
奴との戯言はよせ!!とシャアに怒られますよ!!

ガンダム2次改修さん
コメントありがとうございます。

マグネットコーティングを施されたガンダムと戦っていたとは言え、確かに剛性不足は否定できないかもですねー。
ただ、ビーム兵器の標準装備が出来ただけでも当時のジオンとしては「高性能」と思える事柄だったかもしれません。
なんと言っても、ジオンが戦争を長期化させてしまった最大の理由が緒戦でモビルスーツにビーム兵器を装備できなかったから。。
だとガンダム入門塾では考えております。

モビルスーツのビーム兵器ですが、描写をみているとかなり強力な気がします。耐ビームコーティングでしたか、そんな設定もあるみたいですが、一発で撃破されている描写が多い。その割に、艦船が前線に先行している。特に、攻め側の連邦軍の作戦的としては考えられなくないですか? 威力が分かっていて、建造費が高い船を先行させるその行為。軍人教育を受けた指揮官が。
物語をうまく成り立たせるためには、マシンガンより強力でも、一発ではモビルスーツも船も撃破できない程度の威力でないと。ゲルググ用はジム用と同程度の方が、バランスとしてはしっくり来ます。ガンダム用は特に強力な印象ですが、同程度にするにはジオンの技術が足りなかった、的な設定があってもいいのかなと思います。

ビー子さん
コメントありがとうございます。

一撃で倒す。というコンセプトを元に高い攻撃力を持つビーム。
その一方でウィークポイントは、弾数の少なさです。
この時代のビームライフルは、エネルギーキャップ式で、後のエネルギーパックではないので、撃ち終えたら戻って補給しないといけないです。

選んで攻撃、しかも高い命中率を維持。
それがネックで艦船が前面に出るという事なのかもしれませんね。
有視界戦闘が主になるミノフスキー粒子の影響もあるかも知れませんね。

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ぴろすけ
ガンダムは好きですが、宇宙世紀でないシリーズは詳しくありません。 シャアとアムロが織りなす世界観が好きなのです! 「塾長」と称していますが、ただの一年戦争ヲタク。 熊本県在住 普通のサラリーマン。 階級は伍長あたりで、もちろんオールドタイプであります。。