所属 | ジオン公国 |
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出身地 | サイド3 |
所属部隊 | 宇宙攻撃軍(司令) |
年齢 | 28歳 身長210㎝ |
階級 | 中将 |
能力 | モビルスーツパイロット・部隊指揮 |
ジオン公国内におけるザビ家の政治操作。
独裁政権下なら不思議ではない事項ですが、ドズルはその様な物には目もくれず 他の兄妹とは異なり、軍人としてザビ家を背負いました。
ドズルが残した成果と罪。
彼の公国内での存在とは、どの様なものだったのでしょうか?
士気の高い軍人
ルウム戦役に於けるドズルの優れた采配は、1/3の戦力差を跳ね除けて地球連邦軍を圧倒しました。
その当時、モビルスーツの有用性に懐疑的な点も持ち合わせていながら、自ら専用のザクⅡに搭乗し体を張って全軍を指揮。
前線に赴くその姿はドズル配下の攻撃宇宙軍には とても力強く映り、後方から指揮を執るギレンやキシリアとは異なる、実践型で猛々しい生粋の軍人です。
持ち合わせる柔軟性
ドズルは一見、頑固で融通の利かない指揮官に見られがちです。
しかし、素直に物事を見て聞いて整理し受け入れる能力も持ち合わせており、ルウム戦役でモビルスーツの有用性を理解したドズルは、その運用を積極的に推進していきました。
その柔軟性は風貌とのギャップも相まって、劇中でも何か憎めないおっちょこちょいな部分も垣間見せます。
そんな人隣りは、ドズルが士官学校の校長を勤めていた時の生徒であったゼナ・ミアの心を掴み、ザビ家唯一の子孫を残す事にもなりました。
その後のストーリーにも色濃い影響を与えるミネバを授かりました。
また、終戦後 ジオン独立の意思を継いだ残党たちが再び闘争を仕掛けるのですが、その多くがドズル配下の者たちに依るものです。
仲間や家族を大切にしようとする反面の求心力。
それはドズルの人柄を象徴するものかも知れません。
しかし、国家の運命を背負うザビ家にとって そんな感情からの行動は、正しい判断の妨げになってしまう事もあるのです。
ガルマの戦死と独断
ドズルの家族愛は実弟ガルマにも注がれ、溺愛に近い感情を抱いていました。
スラっとしていてクールな前髪。
公国内ではちょっとしたアイドル的存在でした。
そんなガルマはホワイトベース隊と交戦の末、戦死。
ドズルは、身近に居ながらガルマを守れなかったシャアに腹を立て、処罰の対象とし軍から追放してしまいます。
加えて、仇を討つため感情の赴くまま 反目であったダイクン派閥のゲリラ屋 ランバ・ラルをホワイトベース討伐の為に現地へ派遣。
現地部隊との連携もとらず、単独部隊として投入したヨ。
ラル家の復権と部下の生活の安定の為には、ラルはこの難務を受けざるを得ませんでした。
ただ 国家独立の運命を背負って戦争を仕掛けたザビ家にとって、一族の戦死は想定内でなければなりません。
- シャアの処罰
- 仇討ちの銘で、独自の討伐隊編成
実弟ガルマの為だけに権力を行使した これらのスタンドプレーは、ザビ家の独裁を露呈し秩序ある軍隊活動を乱してしまう側面を持ち合わせています。
苦しい国家運営の中、指揮官を失った上、カリスマエースパイロットのシャアをも追放する人事に違和感を覚える部下もいた筈です。
一方で、このスタンドプレーに対し異なる視点で眺める者もいます。
デギンとギレンとキシリア
国家の象徴として君臨する 父・デギン。
■デギン公王
戦略や政争に重きを置くギレンとキシリア。
ドズルはこの二人の兄妹が好きはありません。
ただ、この二人もドズルの事は好きでないのです。
それぞれの視点と思惑
父であるデギン公王は、自らの権限でドズルがシャアに与えた処罰を解きました。
何故なら、それまでの戦果や活動が評価されていた為です。
ギレンは周囲の反対を押し切ってガルマの戦死を大々的な国葬にて弔い、政治的宣伝に利用しました。
何故なら、弟の死をも自軍と国家の士気高揚に活用し、戦争に勝たねばならないからです。
その後、キシリアはシャアがダイクンの息子「キャスバル」である事を知りつつもジオン軍内での立場を与えました。
何故なら、国家独立の象徴である遺児は状況によって「使い道があるコマ」になり得ると考えたからです。
皆、「好き・嫌い」で戦争を仕掛ける程 お人好しではありません。
使えるモノは状況を見極め適切に利用し、活用する。
- ドズルの切り捨てるかの様なスタンドプレー。
- 三人の冷静で冷徹な判断と采配。
この乖離こそ、ドズルと2人の兄妹との不仲を象徴するもので、指揮官としての資質を疑わざるを得ない事なのです。
そして、ドズルにとって最後となる運命の戦いが始まります。
ドズルの判断と戦死
ドズルが指揮する宇宙要塞ソロモン。
宇宙での侵攻を開始した地球連邦軍の前に体制を崩され敗北を確信すると、ドズルは愛妻と娘ミネバをいち早く脱出させます。
また、モビルアーマー「ビグ・ザム」の圧倒的火力と防御力を盾に単機で敵宙域に展開。
自ら敵の注意を惹き、ジオン残存兵が逃げる時間を稼ぎました。
【動画】単機で連邦に立ち向かうビグザムだヨ。
ジオンの将来と自らの生き様を示すかの様な行動。
ドズルの想いも理解できます。
しかし、戦争を仕掛けたザビ家と自らの立場を考えた時、もう少し判断が早ければ自分や家族はもちろん、多くの部下を携えて本体に合流し、反撃のチャンスを伺う事もできたのではないでしょうか。
…と考えてしまうのです。
そう思う理由は、下記にて。
まとめ・考察
ドズル・ザビについて記述しました。
色々な考え方があるかとは思いますが、ドズルを端的に言うと、
- 現場側に立ち過ぎた。
という事だと思います。
現場の心情や苦しみが理解できるので、最後の戦死はそれらを鑑みた美徳の部分が含まれるのかと。
ただ、ドズルはザビ家の一族であり、指揮官です。
組織上「使われる側」の人間ではなく、「使う側」の人間です。
その本来の役割を全うしようとするなら、嫌う二人の兄妹側に立ち、使う側の心情や苦しみを自分の感情を取り除いて理解する努力もするべきではなかったのか。
それを理解した上で、現場主義の自分の能力をどの様に活かせるかが大切だと思うのです。
これが無かったので、二人の兄妹も「分かってないねぇ~」って事だったかも知れません。
ギレン総帥は、ソロモンが劣勢に立たされた時にドズルがどの様な行動に出るのかを予測しており、ドズル要するソロモンはギレン総帥の戦略上の「当て馬」にされたと言う見方もあります。
それは、ドズルが「使われる側」の烙印を押されていたとも言えるのではないでしょうか。
結局 援軍は届かず、事前にビグ・ザムを送っていた事実を整理すると、
- 連邦と相打ちさせて数を減らす。
と言う目的に「使われた」のかも知れません。
これらをまとめ 結果として、
- 家族との今生の別れ。
- 命と引き換えに逃がした残存兵の大半が本体に合流せず逃亡。
- 後にその残存兵が組織化し、再び不毛な宣戦を布告。
結果、一年戦争は終わりました。
ただ、ドズルの行動は結果的に白黒つかない中途半端なくすぶりを残す事になったのです。
ドズルは自分に忠実な生き様を全うしたのでしょう。
しかし その愚直は決して美徳にはなり得ず、逆に新たなる戦乱のプロローグとなってしまい、しかも それは愛娘 ミネバをも巻き込んでしまう最悪のシナリオなのです。
国家を背負う血を持つ者としては、もう少し自分の立場をわきまえる必要があったのではないか。
あの状況では他に手は無かったかも知れませんが。。
誇り高き伝統を持つザビ家の漢 ドズル・ザビ。
【動画】ドズルの最後だヨ。
もし、ドズルが一兵卒の軍人であれば見事な最後だと思います。
色々と好きに書かせてもらいました。
ただ、人としてはマジで大好きです。
…フォローになってないヨ。。
すんません。
以上 余談でした~。
ドズル専用ザクⅡ
ドズルを連想させるような武装だネ。