ガンタンク 【RX-75】

型式 RX-75
所属 地球連邦軍
重量 56.0t
頭頂部 15.0m
出力 878kw
推力 88,000kg
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
搭乗者 ハヤト・コバヤシ リュウ・ホセイ 他

ガンタンクの開発コンセプト

決戦が迫る U.C.0078.3。

ジオンの新兵器開発をキャッチした地球連邦軍は、その対抗兵器の開発が主な目的である「RX計画」を立案、実行しました。

しかし 計画内容は的を射ておらず、ジオンのモビルスーツを駆使した一年戦争緒戦に於いて、敗北寸前にまで追い込まれてしまいます。

劣勢を強いられた地球連邦軍は事態を打開すべく、RX計画を統合した兵器群開発計画「V作戦」を発動。

量産 ビーム モビルスーツ 運用母艦

V作戦 0079.4.1

2012年8月8日

ガンタンクはV作戦を受け、戦車をベースとして急遽ロールアウトされた後方支援型モビルスーツです。

軽視されたモビルスーツ開発計画

U.C.0070初頭

ジオン公国は人型作業用重機の開発を公式発表しました。

現代で言う、ロケット開発が弾道ミサイル開発とイコールである様に、地球連邦はそれが兵器に転用される事への警戒を強めます。

しかし 入手した情報を基に分析した結果、事態を軽視。

対策に本腰を入れませんでした。

やがて 時は移ろい、およそ4年が経過した U.C.0074。

連邦を尻目に、ジオンは実用レベルに達したザクを極秘裏に量産化。

ぴろすけ

MS-05ザクは開戦前に820機 生産されていました。

ハロAI強化ver.

【動画】ジオンのモビルスーツ開発の解説だヨ。

この時点で、地球連邦は兵器体系に於いて大きなビハインドを抱える事になり、その事態に気付いてもいません。

RX計画

ジオンがザクの量産を開始して、更に4年後のU.C.0078.03

一年戦争開戦の9ヶ月前。

地球連邦は、高まる軍事的緊張と戦争への予兆を受け、

連邦の偉い人

人型機動兵器に対抗する兵器の開発を行う。

ジオンの兵器開発を軽視していた地球連邦は、この様な曖昧なコンセプトの下で RX計画を発令します。

次期主力戦車として開発中であったRTX-44をベースに、先ずは駆動システムの基礎研究から開始されました。

この時、一方のジオンは 量産したMS-05の脆弱性を改善し、後に傑作と言われるザクⅡも既にロールアウトしています。

ぴろすけ

MS-06ザクⅡ。
ジオンにしてみれば、既に戦いは始まっています。

ミノフスキー粒子の効果と人型機動兵器の運用イメージが結びつかなかった地球連邦軍。

この事で明瞭なテーマが発信できず、開発参加企業は 対モビルスーツ用の重戦車程度の位置付けで開発を進めていきました。

そして 大きなビハインドを抱えたまま、一年戦争は開戦するのです。

開戦とV作戦

  • ブリティッシュ作戦
コロニー落とし ブリティッシュ作戦

ブリティッシュ作戦(一週間戦争)0079.1.4

2012年8月12日
  • ルウム戦役
ルウム レビル 捕虜

ルウム戦役 0079.1.15~16

2012年8月11日

新兵器モビルスーツの圧倒的戦力の前に、敗北寸前にまで追い込まれ、その重要性をようやく理解した地球連邦軍。

これまでのビハインドの解消、そして勝利への道筋は、起死回生の軍備再編プロジェクト「V作戦」に託される事になり、RX計画はV作戦に統合されます。

量産 ビーム モビルスーツ 運用母艦

V作戦 0079.4.1

2012年8月8日

「計画」に代わり「作戦」と銘打たれた絶対成功の宿命。

この事で、別枠にて2足歩行の研究が急ピッチで進められ、データ回収にも重きを置いたV作戦では開発中の対モビルスーツ用重戦車にもコアブロックシステムを採用。

この事で「モビルスーツ」に区分けされたこの機体は、

V作戦 1番機

  • 型式:RX-75
  • 通称:ガンタンク

と呼ばれ、地球連邦軍 初のモビルスーツとして登録されました。

ただ、これは便宜上の話であり、性能的には戦車や装甲車の域を出るものではありません。

支援性能と白兵戦

ガンタンクは先に述べた通り、コアブロックシステムを採用しています。

この事で、砲台に当たる上半身部の旋回機能が無くなり、主武装である両肩の120㎜低反動キャノン砲は正面にしか発射できません。

ターゲットに照準を合わせるには本来、旋回して微調整します。

しかし それが出来ないので、キャタピラを用いて体ごと向きを作らなければならないのです。

ハロAI強化ver.

ガンナーの指示を基に、二人で声を掛け合って向きを作る必要があるヨ。
面倒だネ。

ぴろすけ

量産型ガンタンクはコアブロックシステムが廃されているので、旋回できます。
RX-75よりは使い勝手よさそうです。

 

目まぐるしく状況が変わる前線において、このひと手間は致命傷に値します。

これらをまとめると射程距離240㎞を誇る120㎜砲は、遠距離からの射撃に特化した装備である事が分かります。

ただ、ミノフスキー粒子散布下では観測機器は機能不全に陥る為、目視できる範囲、もしくは具体的な砲撃座標の提供が無ければ この120㎜砲は意味を成しません。

劇中では、射程距離240㎞とかの話ではなく、ガンダムやガンキャノンが視認できる位置での運用が非常に多く、本来の性能は発揮できていないと考えられます。

ハロAI強化ver.

白兵戦は両腕のボップミサイルが大活躍するヨ。

宇宙での運用も可能とされるガンタンク。

しかし  V作戦が順調に進み、RGM-79ジムとそれらのバリエーション機の量産体制が整った事で 戦力外通告。

ジャブローでホワイトベースから降ろされる事となりました。

ガンタンクと連邦体質

ミノフスキー粒子の存在と機動兵器の運用。

ガンタンクの成り立ちを紐解くと、格下と見ていたジオンが注力したミノフスキー粒子の特性を肯定しなかった地球連邦の閉鎖的な思考。

保守的で旧態依然。

変える事を好まず 改革を拒み続けた悪しき体質が表現された不名誉な機体とも言えます。

ただ この時、自身の技術が戦争に転用される事を恐れ、ジオンからトレノフ・Y・ミノフスキー博士が地球連邦へ亡命していました。

この事でミノフスキー技術の解析が進み、ガンタンク以降にロールアウトされたガンキャノン、ガンダムに於いては白兵戦や格闘を前提とした設計が多く織り込まれます。

ガンタンクは連邦量産型モビルスーツの母体機として、特に砲撃に関して良好なデータを残し、兵器群の充実はV作戦に則って急ピッチで進められました。

まとめ・考察

ガンタンクについて記述しました。

本来書かなくてはならないガンタンクの兵器性能などは、この記事であまり記載していません。

それよりもガンタンクは、ジオンと連邦の差を計る上で大きな意味を持つ機体なので、そこにフォーカスした内容にすべきだと考えました。

  • 如何に連邦がジオンをナメていたか。
  • 逆にジオンはどれだけ本気だったか。

ガンタンクは、これを書く上で必要な要素が詰まった機体なのです。

もう1つ、こんな見方もあります。

  • RX計画が発令されたのが、U.C.0078.3
  • ジムの量産開始が、U.C.0079.9頃

二足歩行の研究程度だった連邦の技術は、僅か1年半でジオンに追い付き、更にジオンが後手を踏んだビーム兵器の標準装備など、高等技術も同時にやってのけてしまったのです。

ジオン敗北の原因?!ビームと核兵器の関係について。

2018年5月3日

モビルスーツの装甲材。ガンダリウム、ルナチタニウム、超硬スチール合金、チタン合金、チタン・セラミック複合材。について

2016年2月9日
連邦の偉い人

本気出したらやれちゃったね。

これは連邦が持つバックグラウンドの強靱さと、基礎技術力の高さを証明する事柄でもあります。

ただ これで調子に乗り、鼻がギューンと伸びてしまったお陰で、連邦の悪いところが再燃。

V作戦で新しい風を呼び込もうとしたレビル将軍も戦死してしまった事で、終戦後に体質が悪化した事は否めません。

レビル 指揮官 将軍 連邦

レビル将軍(ヨハン・エイブラハム・レビル)

2017年10月8日

ガンタンク

組織や技術、それらにまつわる色々な成り立ち。

様々な事柄を考えさせられる象徴的で、何故か記憶からフェードアウトせずに印象に残り続ける、ガンダムを代表する機体だと思います。

ぴろすけ

すんません。
以上、余談でした~。



4 件のコメント

  • えらくボールをこき下ろしているけども。
    確かにボールは作業用宇宙ポッドを基に開発された機体だけれども、ただ作業用宇宙ポッドに武装させただけでないのは、元の作業用宇宙ポッドのサイズと比べてみれば明らかなはず。
    多数のボールが撃墜されているとはいっても、ボールは連邦軍の主力、歩兵の損耗は大きくなるのはおかしな事ではないはず。
    ボールが連邦の主力だというのは、劇中の描写を見れば明らかで、ボールを貶す人々は連邦のドクトリンを理解していないのでは?
    その間違いは、連邦の主力がジムで、ボールが支援機だという決めつけに依るものだと考えられる。
    何故ジオンがMSを採用し、何故連邦がMSを必要としたのか、を考えれば、ボールとジムの関係性は、通説の逆である、と考えるべきだと思う。
    あと、ボールの砲の装填数が六発、といっても、弾薬が六発しかない事は無いはず。
    確かに現実世界の航空機なら、ミサイルは数発しか搭載していないのだろうけれど、だからといってボールが六発しか弾薬を積んでいない事にはならないと思う。
    もしそうなら、劇中描写として、もっと頻繁に多数のボールが戦場に向かっているシーンが描かれるはず、なぜなら頻繁に母艦へ補給に戻らなければならないのだから。
    …以上、長文になり申し訳ない。

    • 名無しの連邦市民さん
      コメントありがとうございます。

      うぅむ。。
      確かに筆者はボールを軽視しておりました。
      有視界戦闘が主流になるミノフスキー粒子散布下において、その装備や性能はないだろう。と。。

      新鋭機ジムが投入され、しかしながらボールが主力と落ち着かせる理論にたどり着く事ができなかったですね。。(‘Д’)ハンセイ
      ボールの弾薬数が6発としていますが、確か、これは何かしらのゲーム上での設定だったような。

      色々と踏まえ、もう少し勉強してみます。
      確かにボールの事を知らなすぎだー。

  • 装弾数は5~6発でしょう。弾倉が見えていますよね。間違っていません。
    自由に動く腕がないのに、予備弾倉を装填することはできないですよね。僚機のアシストもナンセンスです。2機が戦場離脱しているのと同じになってしまうのだから。
    構造的にアウトレンジのボールではオールレンジのジムの支援機になるのは当然かと思います。ビーム攪乱幕の影響下では逆転しそうですが、ロケット砲へ持ち替えれば主力の座は維持できます。正直なところ実体弾のような弾速が遅い兵器は艦船向きで、ビーム砲はほぼ万能、ビームサーベルは防ぐ術すらないことから、ジムが支援機になることはあり得ません。忘れてはならないこと、それはMSが主力になることこそが、この物語の根幹なのですから。

    • スフィンさん
      コメントありがとうございます。

      モビルスーツの万能性と汎用性を考えれば、あらゆる局面や状況に対応できます。
      極端な話、ボールにできる事はジムでもできるが、その逆は難しい。

      コストやパイロットの問題がなければ、ジムで小隊を編成していく方が心情的にも安定するかもですね。
      モビルスーツが出現するまでは、この手のポッド式兵器が主力とする考え方は否めないとも思いますが、トリアーエズなどの戦闘機などもありますね。

      ・ジム>ボール>戦闘機
      ・ボール>ジム>戦闘機
      ・ジム>戦闘機>ボール

      さすがに戦闘機が主力とは成らないかなー。
      どうだろう。。

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    ガンダムは好きですが、宇宙世紀でないシリーズは詳しくありません。 シャアとアムロが織りなす世界観が好きなのです! 「塾長」と称していますが、ただの一年戦争ヲタク。 熊本県在住 普通のサラリーマン。 階級は伍長あたりで、もちろんオールドタイプであります。。