地球降下作戦以降、戦争はこう着状態となっていましたが、一年戦争が開戦して11ヶ月。
今までやられっぱなしだった地球連邦軍の初の大規模な反抗作戦が実施されます。
そのターゲットがジオン公国軍の最大の拠点で、ヨーロッパの黒海近くに居を構える 通称「オデッサ基地」です。
ジオン公国軍に於けるオデッサ基地の価値と、地球連邦軍の作戦の目的や意義は、どの様な物だったのでしょうか?
オデッサ基地の価値と役割
ジオン公国軍は、想定していたブリティッシュ作戦による戦争の短期決戦に失敗し、兵器や資源を大きく損耗してしまいました。
国力が1/30しかないジオン公国は、それを補いつつ長期戦に備える為の作戦「地球降下作戦」を実施します。
その主な目的や活動として、
- 地球連邦軍の施設や設備の奪取
- 化石燃料・鉱物資源等の確保
その中で、ジオン公国軍最大の拠点になっていたのが欧州・現ウクライナのオデッサ基地で、鉱物資源を宇宙に搬出するという重要な役割を持ちます。
地球連邦軍の作戦目的
このオデッサ作戦における地球連邦軍の目的は、
- 連邦支配下であったオデッサ地域の奪回
- ジオン公国軍にとって最大級の資源調達源を奪う
- ジオン公国軍の地球上での指揮系統の壊滅
劣勢を強いられた一年戦争初戦に於いて、ジオンに占領された資源採掘・宇宙への搬出体制が整う工業地帯の重要な要衝であるオデッサ地域を奪回し、戦争の長期化を防ぐと共にジオンの地球上での勢力を弱体化させる狙いがあります。
オデッサ作戦 発動
このオデッサ作戦を発動させるキッカケは、ジオン公国軍地球方面軍司令ガルマ・ザビ大佐の戦死によるジオン公国軍内の動揺や乱れが現れた事にあります。
また、地球降下作戦以降 戦争こう着状態に入り、地球連邦軍が一年戦争緒戦で壊滅寸前にまで追い込まれた軍備や組織体制を立て直した事。
加えて、兵器技術面を強化・充実させるV作戦やビンソン計画が順調に進んだ事にもよります。
連邦・ジオンの戦力差
とにかく 今までやられっぱなしだった地球連邦軍。
しかも地球降下作戦によっていくつもの軍事拠点や施設を奪われた地球連邦軍にとって、このオデッサ作戦はメチャクチャ気合の入った作戦になりました。
そのため総力戦と位置づけ、モビルスーツ戦を想定した全戦力の3割もの部隊を現地オデッサに投入しています。
オデッサを進軍する地球連邦軍
モビルスーツも投入されています
- 地球連邦軍 770万
- ジオン公国軍 98万
その差はおよそ8倍もあります。
地球連邦軍の主な兵器
ホワイトベース隊
ジオン公国軍の主な兵器
作戦遂行とスパイの存在
地球連邦軍は およそ8倍もの戦力を有し、主力モビルスーツ「RGM-79ジム」も配備した事で、その戦力差は明らかで優勢な勝利を想定していました。
しかし、なぜか作戦行動や部隊編成などを読まれてしまい、出鼻をくじかれたり奇襲攻撃を頻繁に受けたりと不可解な出来事が続きます。
戦力差がありながらジオン公国軍の受けて立つ姿勢にも違和感をおぼえていました。
なんかおかしいぞ!?
そんな中、レビル将軍の側近でオデッサ地区に派遣されていたエルラン中将が、ジオン公国のスパイである事が発覚します。
「中将」と言う高位を持ちながらも、ジオンに加担していたエルラン
何か弱みでも握られていたのかも知れません。
そのスパイの情報を元に、地球連邦軍の作戦布陣にあわせてオデッサ周辺の戦力配置をしていたジオン公国軍に対し、逆にその情報の裏を取って攻撃を仕掛け、3日弱続いた大激戦により、ジオン・連邦 共に大きく損耗してしまいました。
【動画】オデッサ作戦の様子ダヨ
南極条約違反 ジオンによる水素ミサイルの使用
ジオン公国軍はスパイからの情報が無くなり、地球連邦軍の圧倒的物量の前に敗北を喫します。
しかし「タダでは済まさん!」と言わんばかりに、ジオン公国軍は南極条約違反の兵器「水素ミサイル」を発射。
戦場は混乱した状態に陥りましたが、RX-78-2ガンダムが迎撃に向かい、水素爆弾の爆発を阻止。
水素ミサイル真っ二ツ!
地球連邦軍は最悪の被害を食い止めることに成功します。
水素ミサイルを発射したマ・クベ大佐
苦しい戦況からその使用を示唆し連邦を恫喝。
乗ってこなかった地球連邦に躊躇なくミサイルを発射しました。
ジオンの敗走と成果
ジオン公国軍の最終防衛線は突破され、指揮系統も崩壊。
兵力は四散敗走する事になり、地球降下作戦によって降下したアフリカ大陸の第4次降下部隊と合流したり、第1次降下部隊が制圧したバイコヌール宇宙基地へ撤退したりとバラバラとなって分散してしまいす。
この事でジオン公国軍は、オデッサ鉱山基地を放棄。
指揮官のマ・クベもザンジバル級機動巡洋艦で脱出を図り、殆どの兵士を置き去りに自分だけ宇宙に帰還しました。
マ・クベが使用したザンジバル級機動巡洋艦だヨ
ジオンは敗北を喫した一方で、地球降下作戦後から今までのおよそ半年の間に、この後10年間は戦える鉱物資源を宇宙へ搬出することに成功しています。
動き出す戦局
地球連邦軍はジオン公国軍を駆逐して目的を達成し、オデッサ作戦を成功に納めました。
一方で、多くの犠牲を払う事にもなりましたが、今までやられっぱなしだった地球連邦軍は一気に勢いと自信を持ち返し、これまで失い続けた様々な物(者)を胸に「打倒ジオン」を掲げ士気は高まっていきます。
こうして、戦局が大きく動き始めます。
要点・まとめ
- 地球降下作戦後 膠着状態になった中、地球連邦軍はV作戦が順調に進み、初の反抗作戦を実施した。
- ジオン公国の拠点となっているオデッサ基地の陥落を目指し、地球連邦は殆どの部隊を投入した。
- 3日に及ぶ激戦の末、8倍もの戦力差の前にオデッサ基地を放棄したジオン軍は戦力が分散してしまう。
- ジオン軍を撃破した連邦軍はオデッサ基地を奪回。地球上での勢力を徐々に回復させる。
おまたせしました!
と言わんばかりに反撃を開始した地球連邦軍。
その国力の差による戦力はジオン公国軍を圧倒しました。
オデッサ基地を奪回した地球連邦軍は、次の作戦を準備します。
ジオン公国はこのまま敗れてしまうのでしょうか?
・・・つづく
「オデッサ」は、ウクライナ由来の読み方では「オデーサ」と言うヨ