型式 | MS-06 |
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所属 | ジオン公国 |
重量 | 56.2t |
頭頂部 | 17.5m |
出力 | 976kw |
推力 | 43,300kg |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
搭乗者 | ジオン軍一般兵 |
ザクⅡの開発コンセプト
ザクⅠは、史上初めて実戦に投入されたモビルスーツでしたが、「初」が付くものは、後に改善・改良される運命にあります。
改良を施さなければならない点は、
- 放熱性の低さから来る稼働時間の短さ
- ジェネレーターの出力不足
- vs.モビルスーツに対する白兵戦対応能力
です。
これらの改良が加えられたのがジオン公国軍の主力量産機・MS-06。
通称「ザクⅡ」です。
ザクⅡの改良点「放熱性向上」
ザクⅠはミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉(ジェネレーター)から放たれる発熱を逃がす技術が未完で、その影響から稼働時間の制限を受けてしまいます。
そんな問題があると言う理解の中、ザクⅡとザクⅠとを見比べてみると、同じ様なフォルムをしていますが、ザクⅡの機体には何やらパイプが露出しています。
MS-06・ザクⅡ
MS-05・ザクⅠ
顔・腰・足。
このパイプが、放熱性の低さから来る稼働時間の短さを克服することが出来た、ザクⅡの特徴となる仕掛けです。
戦局は常に変化しています。
一刻を争う戦時中、ジオン公国軍は根本的な設計の見直しをする時間も無い状況だったのですが、この露出したパイプは、それら問題を簡単に解決してくれました。
このパイプはズバリ「熱伝導パイプ」なのです。
ザクⅡがまとっている装甲を、放熱板としても活用できるように装甲材の細部まで熱が伝わり易いようにパイプで繋げているのです。
マイナーチェンジレベルの追加装備でしたが、放熱面積が広くなった事で それに比例して放熱量が一気に高まり、稼働時間の短さは大幅に改善。
この事で主力モビルスーツとして信頼の置ける性能を手に入れる事になりました。
ザクⅡの改良点「出力の向上」
上記した通り、放熱性を高めることに成功したザクⅡ。
これにより稼働時間が長く確保できる事から、基礎能力の底上げを目指す事も含めジェネレーター出力の向上が求められました。
しかし 放熱性の問題は先に述べたように、モビルスーツの仕組みや構造によって根本的に解決された物では無いので、一方的に出力のみを考えてしまうと今度は再び放熱が間に合わなくなり、結果、稼働時間低下を招いてしまいます。
これでは本末転倒。
また、やがて起こり得る「モビルスーツにビーム兵器を装備する」という想定を、ザクⅡで試そうと言うプランも浮上した様です。
しかし ビーム兵器は大量の電力を消費する事からジェネレーター出力の大幅UPが必要で、今回のザクⅠからザクⅡへのマイナーチェンジ程度での改良の中では技術的には不可能な事であり、ビーム兵器を持てないのであれば過度な出力向上は不要。
この判断も含め、出力の向上は最小の範囲に留まる事となりました。
ザクⅡの改良点「白兵戦対応能力」
ザクⅡには右肩にシールド、左肩にスパイクアーマーが追加装備され、防御しながら敵に近づき、体当たりなどの格闘戦・接近戦にも対応できる白兵戦の対応能力が強化されました。
これらの装備も、設計の見直しをする時間がない中でのマイナーチェンジ仕様だったのですが、最小の費用と追加装備で、最大の効果を引き出す事に成功しました。
本来、モビルスーツの運用は ミノフスキー粒子散布で誘発された観測機器の機能不全によって作り出される有視界戦闘が前提です。
ザクが元々備えていた機動力に、防御力と接近戦闘能力が強化された事で 白兵戦全般に渡る能力が向上したのはもちろん、汎用性に於いても性能の大幅向上に繋がりました。
エースパイロットが乗ったMS-06 ザクⅡ
ザクⅡの性能の総合的な高さは先に述べた通りです。
その証としてエース級や熟練パイロットは、ドムやゲルググという次期主力機が量産され始めても、ザクⅡを手放さない事が多かった様で、様々なカスタム機が準備されました。
それだけ、ザクⅡの基礎設計と運用プランの相性が良く、あらゆる局面に対応できる能力が高かったという裏付けでもあります。
MS-06S
シャア・アズナブル少佐機
おなじみのシャア専用ザク
普通のザクの3倍速かったと言われています。
MS-06R-1
シン・マツナガ大尉機
ソロモンの白狼の異名を持ち、同型機は22機生産されました。
MS-06R-2
ジョニーライデン少佐機
「真紅の稲妻」の異名を持ち、外見はザクですが性能は別格と言われています。
MS-06R-1A
黒い三連星仕様機
ジェットストリームアタックでおなじみのガイア、マッシュ、オルテガに配備されました。
MS-06R-1A
「ソロモンの悪夢」の異名を持つアナベル・ガトー大尉専用機
基本スペックは黒い三連星仕様と同じです。
MS-06R-1A
ア・バオア・クーのEフィールド防空大隊所属のエースパイロット
マサヤ・ナカガワ中尉の専用機。
まとめ・考察
実戦投入2機種目にして、傑作モビルスーツとなってしまったザクⅡ。
数多くの武装が可能となり、開戦当初から信頼性の高いモビルスーツとして数多く量産されました。
連邦、ジオンを問わず 全てのモビルスーツの基礎と言っても過言ではないモビルスーツの原点的存在です。
しかし、ザクは何故「ザク」と呼ばれるのか?
一説によると、軍隊が行進する音「ザッザッザ・・・」がザクザクザクになり 「ザク」になったそうです。
軍隊という事で言えばマッチしてる感じもしますが、案外単純な発想なんですね・・・
すんません。
以上 余談でした~。
ザクⅡほどに「戦争の道具」「殺人マシン」としての記号を持ったキャラクターロボットを私は知りません。
濃淡グリーンの塗装は否が応でも軍隊らしさを演出し、ライフル銃やバズーカ砲といった実弾火器と戦斧を携えた渋さ、そしてモノアイというシンプルながらも角度によって見たものを慄かせる威圧感たっぷりの表情を見せる顔と、劇中ではやられメカ扱いながらもなかなかどうして魅力が詰まってます。
後発のガンダムシリーズや他のロボット作品にもザクⅡを意識した、あるいはその影響を受けただろうメカが登場するあたり、現実世界でもエポックメイキングであったことは疑いないでしょう。
まさにKönig von Massenproduktion(量産型の王様)!!
名無しの一般兵さん
いつもコメントありがとうございます。
ガンダムが放映された当時、いくつかのロボットアニメがありましたが全て現実と乖離したロボが登場し、おとぎ話的発想で発案されたイメージがありあます。
ザク!
第一話「ガンダム大地に立つ」では、ザクが放ったマシンガンの薬きょうがアムロの近くに落ちてくる描写があります。
兵器の巨大感とリアリティを子供ながらに感じた名シーンです。
モビルスーツの「戦争の道具」「殺人マシン」を印象付ける。
このシーンで名無しの一般兵さんのおっしゃる通り、そのイメージの植え付けに成功させた構成は素晴らしいです!
うーん。もう一回見てみよう。
小説版とoriginを購読しましたがザクもシャア専用ザクも強過ぎ!と感じてしまいました。
スーパーロボット感が強いアニメでも強い存在感を発揮していたし、逆襲のシャアでもハイザックやギラ・ドーガ等が登場したりゲームでもフル改造や使いこなせばガンダムをも倒す事が可能なのでこれがあるべき姿なのかと納得しました。
アクトザクを量産し、ザビ家が不仲で無ければ戦争に勝っていたかも知れませんが、もう似たような記事を書かれていましたね(汗)。長文失礼しました。
通りすがりさん
いつもコメントありがとうございます。
ザクⅡの前身であるザクⅠ
旧ザクと呼ばれる事もありますが、これらの機体とジオンの戦争プランにおいて想う事は、
ビーム兵器装備までもう少し頑張れなかったかなぁ~。。
ビーム兵器装備のモビルスーツと、ザビ家のそれぞれの個性をベクトルを合わせて物事に対処していれば戦争には勝ってる筈。
エリート一家だけに起こり得た内部分裂は、ありがちな事象なだけに作品のリアリティを引き出していると思います。
また、ザクとドムの後継機や派生は後々まで引き継がれています。
サイクロプスは今でも色あせない斬新なデザインですねー。
これ、好きー。