ソロモン攻略に成功した地球連邦軍は、続けてア・バオア・クーを標的とした星一号作戦を発動。
そんな中、ジオン公国のデギン公王が和平交渉を目的として、地球連邦艦隊の前に姿を現すのでした。
これで 一年戦争は終結するかに思われました。
しかし、サイド3から放たれたソーラレイの直撃を受けデギン公王は戦死。
地球連邦軍もレビル将軍が戦死した事に加え、艦隊の30%もの戦力を消失してしまいました。
反撃の狼煙をあげたジオン公国軍。
これを受けた地球連邦軍は星一号作戦を強行します。
星一号作戦の行方とは?
どの様な結末が待っているのでしょうか?
混乱の中 強行された星一号作戦
ソーラレイの直撃を受け、主力艦隊と指揮中枢を失ってしまった地球連邦軍。
苦し紛れながらも体制を立て直すべく、艦隊の再編を開始します。
一方のジオン公国軍は その混乱を利用し、
- ジオン本国であるサイド3の戦力
- 制圧した月面都市グラナダの戦力
これらをア・バオア・クーに集結させ抗戦の構えを取ります。
指揮官不在で指揮系統も整わない中、地球連邦軍は星一号作戦を強行。
攻撃目標は変わらず、「星」は「宇宙要塞 ア・バオア・クー」です。
攻撃目標の選定と作戦強行の理由とは?
カリスマ的影響力を持つ、首謀者ギレン総帥の討伐。
この事を念頭に置きながらも、当初の作戦立案では ジオン公国の本拠であるサイド3への侵攻も考えられていました。
しかし ブリティッシュ作戦と同じく、民間人への被害は避けられないため、優先順位は下位へ。
また 月面都市グラナダへの攻撃は決戦の場としての必要性が低く、南極条約にも抵触するので これは却下。
ただ、この段階に至って 30%もの戦力を喪失した地球連邦軍に、もはや選択肢はありません。
- 余力が無くなった地球連邦軍の方が、早く戦争を終わらせる必要があった。
ギレン総帥の指揮下に集結し陣形を構築する敵に対し、満身創痍の地球連邦軍は艦隊を2分して立ち向かいます。
迎え撃つギレン総帥と演説
ギレン総帥は地球連邦軍の主力艦隊の殲滅に成功した事で、勝利は確定的であると考えていました。
あと、もうひと踏ん張り!
ここぞと言うポイントで、士気高揚と兵を鼓舞する目的で得意とする演説を行います。
我が、忠勇なるジオン軍兵士たちよ。
いまや、地球連邦軍艦隊の半数が、我が、ソーラ・レイによって宇宙に消えた。
この輝きこそ、我らジオンの正義のあかしである。
決定的打撃を受けた地球連邦軍に、いかほどの戦力が残っていようと、それは、すでに、形骸である。
あえて言おう。カスであると!
演説するギレン総帥だヨ。
それら、軟弱の集団がこのア・バオア・クーを抜くことはできないと、私は断言する。
人類は、我ら選ばれた優良種たるジオン国国民に管理運営されて、はじめて、永久に生き延びることができる。
これ以上、戦いつづけては、人類そのものの危機である。
地球連邦の無能なる者どもに思い知らせてやらねばならぬ。
今こそ、人類は、明日の未来に向かって立たねばならぬ時である、と!
ジーク・ジオン!
【動画】ギレン演説の様子。
上記とはちょっと異なるヨ。
この演説後、決戦の火蓋がきられました。
地球連邦軍の侵攻
地球連邦軍は残存艦隊を3つの大隊に再編します。
ホワイトベースを起点として集結
ソーラレイを直撃を受けた為、再編
その後、Sフィールドへの展開準備に入る
主力と位置付け、正面のNフィールドを受け持つ
作戦開始後、先ずは第二・第三大隊がNフィールドへ侵攻。
その間、第一大隊は濃いミノフスキー粒子を利用し、ジオンの索敵網をかい潜って Sフィールドからの攻撃準備を開始します。
連邦の狙いは「陽動作戦」
Sフィールドからの侵攻が本命であり、第一大隊を活かすためにNフィールドに部隊を集中させ、注意を惹く作戦です。
ジオン公国軍の防衛と内部亀裂
ジオン公国軍は、地球連邦軍の戦力が大幅に減っていると見込んでおり、Nフィールドから総力を挙げて侵攻してくると考えていました。
その為 Sフィールドの部隊を割き、Nフィールドへ増援。
宇宙空母ドロスを中心とする防御網は威力を発揮し、数で勝るジオン公国軍が優勢を得つつありました。
しかし、ここで あっと驚く事態が…!
狙い通り、隠密行動に成功した 25隻から構成される地球連邦軍第一大隊が、Sフィールドから侵攻を開始したのです。
脇腹を突かれる形となったジオン公国軍は、急ぎシャア・アズナブル大佐率いる部隊を迎撃に向かわせます。
【動画】Sフィールド攻防の様子
その頃、ア・バオア・クー内ではデギン公王の戦死についてギレン総帥とキシリア少将との兄妹ケンカが勃発。
我慢の限界に達したキシリア少将が、ギレン総帥を射殺してしまうのでした。
【動画】ギレン総帥 射殺されたヨ。
この事で防御網に指揮系統の乱れが生じ、ギレン総帥死亡の直後、Nフィールドの防御の中核を担っていた宇宙空母ドロスが轟沈。
また Sフィールドから、ア・バオア・クーへ侵攻していた第一大隊は、シャア・アズナブル大佐の防御網をすり抜け、上陸に成功します。
シャアのジオングと一騎打ちになったガンダム。
この戦いでガンダムは大破し、放棄されます。
【動画】有名なシーンだネ。
ガンダム ラストシューティング。
ジオン公国の敗北
優勢に戦闘を進めていたジオン公国軍。
しかし ソロモン攻略戦の時と同様、地球連邦軍の行動を把握しきれず、Sフィールドからの攻撃に対応できませんでした。
ミノフスキー粒子が濃くて情報収集が出来なかったネ。
加えて 一瞬の指揮系統の乱れによるスキを突かれ、一気に劣勢に立ってしまったのです。
キシリア少将は態勢を立て直すべく脱出を試みますが結果的には戦死。
【動画】キシリアも戦死したヨ。
こうしてジオン公国を治めていたザビ家は全員死亡してしまい、星一号作戦は終了を迎えます。
星一号作戦における連邦、ジオン それぞれに投入された戦力とは?
両軍死力を尽くした大戦闘となりましたが、それぞれどの程度の戦力を投入したのでしょうか?
地球連邦軍
- 戦艦 マゼラン 18隻(14隻が轟沈)
- 巡洋艦 サラミス 98隻(60隻が轟沈)
- ジム・ボール 4800機(約4000機が未帰還)
- コア・ブースター等戦闘機 900機(ほぼ全滅)
- パブリク等突撃艇 110機(ほぼ全滅)
- コロンブス輸送艦 84隻
延べ投入戦力 6010機
ジオン公国軍
- グワジン 数隻
- ドロス級空母 2隻(2隻轟沈)
- ムサイ・チベ級巡洋艦 41隻(30隻以上轟沈)
- パゾク級補給艦 多数
- ゲルググ・ザク・ドム等MS 3600機(未帰還3000以上)
- MAビグロ 数機
- ジッコ等突撃艇 46隻(全滅)
- ガトル等戦闘機 830機(未帰還120機以上)
延べ投入戦力 約5000機程度
要点・まとめ
- 地球連邦軍はギレン総帥が指揮を執るア・バオア・クーを攻撃目標と定めた。
- 敵の状況を把握できなかったジオン軍は、脇から侵攻してきた敵の対応に手をとられた。
- デギン公王の戦死問題でキシリア少将がギレン総帥を射殺。その混乱でジオンの防衛体制が崩れる。
- キシリア少将は本国のサイド3で体制を立て直そうと脱出するが失敗。これでザビ家全員が死亡。
自軍の宙域でありながら二分した地球連邦の攻撃を把握する事が全くできていなかったジオン公国。
その最中、兄妹ケンカが極論に達し、もろくもジオン公国は崩壊してしまいました。
もはや何の目的で何の為の戦いであったかが完全に見失われているかに思います。
ザビ家壊滅によりジオン公国と一年戦争に終止符がうたれ、終戦協定が結ばれます。
・・・つづく
宇宙要塞 ア・バオア・クー
空母ドロワとドロスを携えるジオン最大の宇宙拠点です。