ジオン公国軍のブリティッシュ作戦における目的は「地球連邦軍本陣の徹底的な破壊」です。
宣戦布告の翌日、1月4日にこの作戦は実行されて1月10日に作戦終了しました。
一週間での戦闘だったので、この作戦を総じて一週間戦争とも呼びます。
「短期間での敵本陣の徹底的な破壊」と言う大それた目的を掲げたブリティッシュ作戦とは、どの様なものだったのでしょうか?
スペースコロニーの破壊と奪取
ジオン公国軍は宣戦布告の開戦直後、サイド1・2・4の3つのサイドに一斉に攻撃を加えました。
この時、細菌兵器・化学兵器等のいわゆる「毒ガス攻撃」がスペースコロニー内部へ行われ、人を始めとした生物のほとんどが死滅。
【動画】毒ガスによるコロニー内侵攻の様子
こうして内部を沈静化させた後、総重量3000万トンを超えるスペースコロニーを奪取。
その後、地球連邦軍本拠地・ジャブローへの落下軌道に乗せ、直撃により一気に中枢を破壊。
早々と戦争に終止符を打つ作戦内容だったのです。
また 核兵器を多用し、スペースコロニー等の構造物に攻撃を加え、次々と壊滅へ追い込んで行きました。
ジオン公国軍は、この時ジャブローの位置を正確に特定できておらず、大質量のスペースコロニーを「ジャブローと思われる場所」に投下できれば、基地を壊滅できると考えていました。
モビルスーツの実戦配備
この ブリティッシュ作戦でも新兵器「モビルスーツ」が実戦配備され、ミノフスキー粒子散布下でのモビルスーツ運用が圧倒的な戦力と化していきます。
その脅威の前に、地球連邦軍は打つ手もなく次々と撃破されていくのでした。
実戦配備されたモビルスーツ・ザクⅡ
毒ガス攻撃時の作業用ロボットとしても利用され、高い汎用性を発揮しました。
スペースコロニーの落下
ジオン公国軍の作戦は、新兵器「モビルスーツ」の活躍もあり予定通り順調に進んで行きます。
しかし、3000万tもの質量があるスペースコロニーを地球への落下軌道に乗せるには、やはり多少の時間が必要です。
その間、作戦の目的が読めず右往左往していた地球連邦軍ですが、スペースコロニーを奪取され、それを移動させようとしているジオン公国軍の行動を見て、ブリティッシュ作戦の目的が、
「地球にスペースコロニーを落とす」
という事を察知します。
自らの生活の拠点であったスペースコロニーを、生命の源でもある地球に落とそうとする行為に最初は目を疑いました。
しかし、実際にスペースコロニーの軌道をたどれば地球に向けたコースになっていて、さらに、そのターゲットとなる落下地点が自軍の本拠地・ジャブローである事が判明します。
目を疑う結果は、軌道を辿るとジャブローへ。
既にコロニーは落下軌道へ侵入しています。
戦争を仕掛けられている時点で緊急事態なのですが、さらに超 緊急事態!
「このままでは、一撃で仕留められてしまう!」
とにかく即座に戦力を集結させ落下阻止行動を開始します。
しかし、そこでも「待ってました」と言わんばかりに立ち塞がるジオン公国のモビルスーツの前に、次々と迎撃されていくのでした。
それでも数で勝る地球連邦軍は、返り討ちに遭いながらも なりふり構わずスペースコロニーにミサイルやビーム攻撃を行い、何とか破壊して落下を阻止しようとします。
しかし全てにおいて後手にまわった上、準備する時間も無かった地球連邦軍を尻目に、無情にもスペースコロニーは阻止限界点を超え、地球へ落下し始めました。
落下するスペースコロニーの様子。
この行為をガンダムの世界では「コロニー落とし」と呼びます。
コロニー落下によるエネルギーは広島原爆300万発分。
震度7以上の地震とそれに相当する津波が起こるそうです。
ブリティッシュ作戦失敗
「よっしゃー」と言いたいジオン公国軍ですが、ブリティッシュ作戦は失敗に終わります。
最適な軌道をたどりスペースコロニーは確かに落下していきましたが、大気圏突入前の地球連邦軍による必死の阻止攻撃で傷んでいたスペースコロニーは、大気圏内で崩壊。
4つ程に分解してしまい、ジャブローに落下させる事が出来なかったのです。
崩壊した破片の一番大きな部分はオーストラリア・シドニーに落下し、オーストラリア大陸の1/3が消失。
北アメリカの太平洋上に落ちたコロニーの破片は、大きな津波を発生させ、沿岸部へ甚大な被害を与えました。
そして、このブリティッシュ作戦(一週間戦争)において、人類の半数に当る45億人が死亡してしまったのです。
【動画】ブリティッシュ作戦の様子
ジオン公国軍の宣戦布告の意義は はっきりとした物ですが、禁じ手とも言える様々な攻撃を用いて総人口の半分を死に至らしめました。
多すぎる犠牲者を出したジオン公国軍ですが、ブリティッシュ作戦失敗を確認し、撤退を開始します。
それは意義を貫き、勝利を掴み取るための新しい作戦を実行するために・・・つづく
要点・まとめ
- 宣戦布告直後ジオン公国は、新兵器モビルスーツを駆使しサイド2のスペースコロニーを攻撃し奪取。
- 3千万tもの質量があるスペースコロニーを地球にある連邦軍本拠地ジャブローへの落下軌道に乗せた。
- スペースコロニーは正確な落下軌道をたどったが、数で勝る連邦軍の必死の阻止攻撃で破壊された。
- ブリティッシュ作戦は失敗。全人口の半分45億人が死亡。ジオン公国は新たな作戦の準備を開始する。
ついに開戦した一年戦争。
物量は圧倒的に地球連邦のほうが上でしたが、新兵器モビルスーツの前に劣勢に立たされてしまいます。
ジオン公国は、最後の詰めの一手が足らず作戦こそ成功できませんでしたが、戦々恐々となる地球連邦を尻目に新たな作戦を展開します。
ちなみに、ブリティッシュ作戦とは過去の大英帝国(グレートブリテン)が植民地を失い、国力を衰退させた事にちなんでネーミングされていて、地球連邦政府が その様になる事を目指しています。
・・・つづく
作戦を遂行すべく、進軍するモビルスーツ部隊。
サイド1・2・4が壊滅に追い込まれました。