地球上におけるジオン公国軍勢力の衰退。
オデッサの敗戦から、ジャブロー攻略失敗・・・
ついに戦いの舞台は、ジオン公国の優勢地域である「宇宙」へと移っていきます。
ジオン公国の宇宙拠点 ソロモン。
地球連邦軍にとってソロモン攻略のメリットとは?
どの様な目的でこの作戦は実行されたのでしょうか?
ジオン公国軍の防衛ライン
一年戦争を終結させるには、ジオン公国の本拠地であるサイド3を攻略するのが一番の近道です。
しかし、そこへ到達するには一つの大きな壁が立ちはだかります。
下の図にある、黄色の点線。
これが、ジオン公国軍の防衛ラインです。

ジオンの防衛ラインを構築する軍事拠点
そして、その防衛ラインを構築する強固な3つの軍事拠点が存在します。


「ア・バオア・クー」

「グラナダ」

「ソロモン」
地球連邦軍は、このジオン防衛ラインを突破するにあたり、これら3つの拠点の内のひとつを確実に壊滅させる事が必須条件だと考えていました。
待ち受けるジオン公国軍
一方のジオン公国軍は、ジャブロー攻略失敗から約1ヶ月が過ぎ、地球連邦軍が少しずつ体制を整え宇宙へ集結している状況に危機感を募らせていました。
しかし、その戦力と侵攻してくると思われる的を予測する事が出来ず、出方を伺うに留まり、動くに動けない状態となっています。
攻撃目標ソロモン(ソーラー・システムの採用決定)
強力な戦力を有するであろうジオン公国軍宇宙拠点。
地球連邦軍は、これらを攻撃するにあたり、自軍のダメージを最小限に留め、短期決戦で勝負を決めるための対要塞兵器「ソーラー・システム」の使用を決定します。
そのソーラー・システムを使う宇宙侵攻の最初の攻撃目標を「ソロモン」としました。
ソロモンが選択された理由は下記の理由によります。
- ソーラー・システムの展開に当たり、壊滅したサイド1、サイド4の残骸が多くカムフラージュが利く。
- 比較的、ルナ2やサイド7に近く、援護体制を整え易い。
- ドズル中将が指揮を執り、最も兵士の士気が高いソロモンの陥落が終戦の近道である。
ソロモン攻略戦 作戦内容
ソロモン攻略の決め手になるのは、対要塞兵器「ソーラー・システム」です。
このソーラー・システムは、20m×10mの鏡を宇宙区間に40万枚、四角形になるように敷き詰めて、太陽光を集めて攻撃目標に照射すると言うもの。

このミラーを均等に並べていきマス。
簡単に言えば、虫めがねで光を集めて火をつけるのと同じような仕組みです。
しかし、ミラーを40万枚敷き詰めるのには時間が掛かります。
そのため作戦は、「囮艦隊」と「ミラー準備艦隊」の2つに分けて開始されました。
- Aの艦隊はソーラー・システムを組み立てて発射させる。
- Bの艦隊はソーラー・システムを準備する時間を稼ぐために囮として正面から突入する。
ちなみにホワイトベース隊はBの囮艦隊に混じって参戦しています。


ワッケイン少佐
ホワイトベース隊とは何かと縁があり、「寒い時代だと思わんか?」の名言を残し後に戦死しています
ソロモン攻略戦は、連邦とジオンが争った歴史上の読み方ですが、攻め入る連邦側としては「チェンバロ作戦」と銘打って作戦を立案しました。
- Bの艦隊はジオン軍の目を引き、Aの艦隊がソーラー・システムの敷設稼働準備時間「15分」を確保する事。
- Bの艦隊はソーラー・システムが発見されてもビーム砲などで狙い撃ちされないようにビーム攪乱幕を散布する事。
- Aの艦隊は完成次第ソロモンへ向けてぶっ放せ!!

ビーム撹乱幕は、パブリクによって散布されました。
お腹に抱えているミサイルがそれです。
チェンバロ作戦開始 ソーラー・システムの敷設展開
チェンバロ作戦(ソロモン攻略)は12月24日に開始されました。
地球連邦軍はミノフスキー粒子の濃度や、サイド1の残骸に身を隠し隠密性を保つという利点を活かしながら、ソーラー・システムの敷設を進めていきます。
しかしその反面、ミノフスキー粒子の影響でミラー敷設の遠隔操作は不安定で、曳航などの手作業を併用した為、予想以上の時間を要してしまい、「15分」という設定時間内にソーラー・システムの稼働準備を完了することが出来ませんでした。
防戦するジオン公国軍
ジオン公国軍は、地球連邦軍がサイド1の残骸に隠れて展開していたソーラー・システムの存在にしばらくは気付きませんでした。
それをソーラー・システム敷設完了直前に察知しましたが、パブリクによるビーム撹乱幕散布の効果もありビーム攻撃は無効で、慌てて衛星ミサイルによる攻撃を開始します。

衛星ミサイル
衛星に推進器を取り付け、物理攻撃を主体とします
衛星ミサイルの到達には時間を要し、モビルスーツ部隊も急行させソーラー・システムの一部破壊に成功しますが、一歩及ばずソーラー・システムの照射を許してしまいました。
ソーラー・システム照射とソロモン上陸
この事により、ソロモンのスペースゲートは4,000℃という高熱で灼かれ、ゲート内にいた部隊ごと壊滅させる事に成功します。
その後、地球連邦軍は小破したソーラー・システムを再編。
残存した6割程度の出力で2度目の照射を実施し、ソロモン陥落を決定付けるダメ押しを行いました。

【動画】ソーラーシステム照射の様子
これを契機に、ジムやボールと言った機動兵器がソロモンへの上陸に成功し、制圧を開始します。
多少の残存部隊が抵抗し、モビルアーマー「ビグ・ザム」によって地球連邦軍の戦艦が一部撃破されてしまいました。


ビグ・ザムの抵抗によりティアンム艦隊・旗艦「タイタン」を含む複数の戦艦が轟沈。
制圧はしたものの、地球連邦軍も大きなダメージを受けてしまいました。
しかし このソロモン攻略戦で、ドズル・ザビ中将は戦死。
この後、ソロモンは地球連邦軍の制圧下となり、防衛ラインの一つの拠点を予定通り壊滅させる事に成功したのです。
作戦開始の翌日、12月25日にチェンバロ作戦(ソロモン攻略)は終了しました。
この制圧後、ソロモンは「コンペイトウ」と改名され、地球連邦軍の拠点となり 次の作戦に備えます。
しかし、ジオン公国軍はめげずに防御の体制を整えていきます。・・・つづく
要点・まとめ
- 宇宙に侵攻した連邦軍はドズル中将の指揮下ソロモンを攻撃し、ジオン防衛ラインの切り崩しに掛かる。
- 連邦軍は対要塞兵器を構築すべく、艦隊を2分して攻撃を行いソーラー・システムの照射に成功する。
- ビグ・ザムが抵抗するが、ドズル中将は戦死しソロモンは陥落。連邦軍宇宙拠点「コンペイトウ」と改名。
- 軍事拠点を失ったジオン公国軍は、防衛体制を整え次の攻撃に備える。
ザビ家に二人目の戦死者が出てしまいます。
それと同時に宇宙拠点ソロモンが陥落。
ジオン公国は自軍の宙域で、拠点を壊滅させる程の兵器の所在を見抜けなかった訳ですが「うっかりしてた」では済まされない、監視・索敵体制のもろさも露呈してしまいました。
ビグ・ザムの圧倒的な攻撃を受けてしまいましたが、戦いのペースを握り始めた地球連邦は次の作戦の準備を開始します。
・・・つづく