ジオン公国軍は地球降下作戦において、占領地域を拡大し過ぎてしまいました。
それは自軍の身の丈を超えた範囲となり、結果、補給が行き届かず戦争がこう着。
すなわち、何も出来ないのに消耗し続けるという最悪の状態に陥ってしまったのです。
戦争に対するプランニングが甘かったジオン公国ですが、別の切り口から見ても失敗した要因が見え隠れしています。
それは、地球在住の民間人に対してのフォローが後手に回った事です。
どう言うことか?
というと。。
地球降下作戦での心理的苦痛とやり過ぎ
地球降下作戦が始まる頃、地球には約20億人が生活していました。
宣戦を布告し、ジオン公国軍の全指揮を執ったギレン総帥は、手始めにブリティッシュ作戦によりスペースコロニーを地球に落としてオーストラリア大陸の1/3を消失させました。
また南極条約締結後、この地球降下作戦を実行に移す時も月面上のマスドライバーから作戦予定地に「打倒地球連邦!」を掲げ、無慈悲に 無差別に攻撃を加えました。
この事で精神的な苦痛や負荷を掛け続けながら民間人を巻き添えにしたのです。
空から大きなモノ・小さなモノ
色んな物が、沢山あちこちに落ちて来たんダナ。。
もうお分かりと思いますが、ジオン公国が独立を目指す意義は理解できても、地球に住む民間人にとってみれば明らかな「やり過ぎ」がそこにあったのです。
その反感はレジスタンスやゲリラを各地に点在させ、ジオン公国軍の活動の妨げを活発に行うことになります。
現地での作戦遂行は戦時中とはいえ地理的な問題や地域のしきたり、ならわしを無視する事は得策ではなく、ただでさえこの「やり過ぎ」による反発がある中、現地からの理解も勿論得られる訳がありませんでした。
その為、度々のゲリラ活動により かなりの足止めを強いられたようです。
つまり、この「やり過ぎ」により、作戦遂行に対して大きな障壁を自ら作ってしまったのです。
見え隠れする地球降下作戦のプランニングの甘さ
ギレン総帥の独裁による作戦遂行はどの作戦においても「心理戦・心理誘導」の要素が非常に希薄です。
この希薄さは後のガルマの国葬やソーラレイ計画によるデギン公王の戦死に係り、ザビ家崩壊の一番の要因であったようです。
そういった中、ジオン公国もマズいなと思ったのか、ジオン公国内でアイドル的存在だったガルマ・ザビ大佐を地球に駐在させ、前面に押し出してイメージUPを図ろうとしたという話もあります。
ガルマ・ザビ大佐。
クールな前髪がチャームポイントなのサ。
また、難民キャンプを作ったりして民間人に対し施しを行ったりしますが、それは逆に反感を買う部分もありました。
現にアムロが母親に会いに行ったシーンでは難民キャンプにいた子供は「親を返せ!」と反抗し、周りの目も白々しい物でした。
ジオン兵士達の心境の変化
ジオンの独立に向けての活動はある意味美しい物もあります。
しかし、その無慈悲な作戦進行の中で、ジオン兵達にも心境の変化が起こったりもします。
破壊や殺戮を自ら手を下す事に、軍務とは言え罪悪感を感じ、努めて紳士的に対応する兵士も数多くいました。
中には良心の呵責に耐えかね、ククルス・ドアンの様な脱走兵が出たりもしています。
ククルス・ドアンだヨ
日本の長崎の五島列島辺りの島に脱走したようデス。
そこで自給自足の生活をしながら、戦災孤児達を養っていタヨ。
元々、短期決戦をにらんでいたジオン公国でしたので、無差別な攻撃となってしまった地球降下作戦は当初プランに盛り込まれていない事柄だったのでしょう。
しかし、南極条約を契機にプランニングの変更を余儀なくされた事をひいき目にみても戦争へのプランニングの甘さと、必ず抑えなければならないツボを常に抑え忘れていると改めて感じさせます。
ギレン総帥はブリティッシュ作戦成功に絶対の自信をもっていたので、付け焼刃的な行動になってしまった事は否めませんね。
すんません。
以上、余談でした~。
…?ンン??
ナんだ、ソレ?