地球連邦軍はジオン公国の宣戦布告から始まった一年戦争開戦からV作戦実行まで、3ヶ月の期間を要しました。
ジオン公国にとって、ブリティッシュ作戦やルウム戦役の圧倒的戦果は、明らかに新兵器「モビルスーツ」によってもたらされたものです。
しかし地球連邦軍は、それに対抗する兵器を保有しようとする軍備再編計画「V作戦」の実行まで3ヶ月もの時間を費やしてしまいました。
一刻を争う戦時下において、V作戦実行まで3カ月もの時間を要した理由とは、どの様な物だったのでしょうか?
地球連邦政府の現実逃避と発想
まず、根本的に地球連邦軍の高官は、自らが発動した「宇宙移民計画」をよそに、地球に住む事ができる特別な人間という勘違いがもたらす、不都合要因の都合のいい解釈をしてしまう癖があります。
具体的に言うと、
- ミノフスキー粒子? 戦略上、あまり意味が無い(はず)。
- モビルスーツ? 巨大な兵器であり、狙い撃ちが可能な為 不要。
- ジオン公国軍? 国家ではなく一団体に過ぎない。物量と資金力で連邦が勝っている。
- 戦艦と巨砲を充実させ、圧倒的に攻め込めば戦争は終結する。
と言う、旧態依然の現実無視解釈をしてしまいます。
この考え方によって モビルスーツの前に手も足も出ずに壊滅を喫した戦艦や巡洋艦などを再建する「ビンソン計画」がV作戦と同じ日に発動されます。
このような内容を3ヶ月をかけて協議していた訳ですが、その間 ジオン公国軍は総合整備計画を発動させ、地球降下作戦も成功(?)させています。
相反するビンソン計画とV作戦
モビルスーツは一年戦争開戦当初、地球連邦に対し敗戦を意識するほど強烈なインパクトを与えた新兵器だったのですが、それを本格的に保有しようとするV作戦は上記の理由によって発動が遅れてしまいました。
但し、地球連邦高官が全員そう考えていたわけではなく、V作戦を推進しようとする派閥も当然いて、
- ジオンを模倣する戦略・兵器開発を行うべきか?
- 旧態依然ではあるが、資金や国力上 ジオンが真似のできない今までの軍備体制をより強化するか?
このつばぜり合いが長く続いた結果が「3カ月もの時間」となったのです。
地球連邦軍とジオン公国軍の軍備バランス
この議論は平行線をたどり、上記したとおり同じ日に互いの意見を尊重し合うような結果になったのかもしれません。
しかし、この折衷案が偶然にも既存兵器にもこだわり過ぎず、方や、新兵器モビルスーツにもこだわり過ぎず という形を作り、この事が後の地球連邦軍のバランスのいい兵器保有体系を作った要因であると言われています。
一方のジオン公国軍はモビルスーツ開発に力を入れ過ぎてしまい、そのアンバランスさが戦争の長期化を招き、元々国力が小さかったジオンにとっては手痛い結果となってしました。
地球連邦政府は、この偶然のたまものを手にしましたが、この偶然も当然ととらえてしまったのか、組織の腐敗はこれからもどんどん進んで行きます。
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