所属 | 地球連邦軍 |
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出身地 | 不明 |
所属部隊 | 第13独立部隊(ホワイトベース隊) |
年齢 | 不明 |
階級 | 中尉 |
能力 | パイロット・砲撃手 |
ホワイトベース隊がジャブローに到着し、来る宇宙での決戦に向けて改修を受け、いざ出航と言うタイミングで、スレッガーは手荷物1つでホワイトベース隊に加わりました。
「よう、ホワイトベース隊の責任者は誰だい?」
軍人らしからぬ言動と態度。
スレッガー・ロウとは、どの様な人物だったのでしょうか?
ホワイトベース隊とスレッガー・ロウ
ホワイトベース隊は地球に降下した後、ランバ・ラル隊残党との交戦でリュウ・ホセイという精神的支柱を失っていまいました。

リュウ・ホセイ
コアファイターで特攻しホワイトベースを守ってくれたヨ。
またジャブローへ向かう途中、補給や調整で世話になっていたマチルダ中尉が戦死。

マチルダ・アジャン
黒い三連星によって、搭乗していたミデアを破壊され戦死しました。
それに加え、マチルダ中尉の婚約者であったウッディ大尉もジャブローでの戦闘により命を落としてしまいます。

ウッディ・マルデン
帰還したホワイトベース隊を招待しジャブローで結婚式を挙げる予定だったんダヨ。
立て続けに色々な出来事を目の当たりにし、クルー達の心にぽっかりと穴が開いているような状態の時、その人は現れます。
ホワイトベース隊の中では最年長者となり、体は大きく周囲には気を使っていない素振り。
しかし威勢を張る事も、周囲の雰囲気に飲まれる事も、流される事もありません。
そんなスレッガーでしたが、ホワイトベース隊に溶け込んで馴染むのに、そう多くの時間は必要ありませんでした。
周囲の人間との調和
スレッガーは周りの人に気を使って仲良く調和しようなんて思っていません。
自分の意見を言い、素のままの自分をさらけ出す。
一見 何も考えて無さそうなのですが、自分のパーソナルエリアを持ちながら他人の立場に立って自分の思考を展開する事が出来る。
つまり 自分の意思を持ちながら、他人の事をおもんばかる事ができるのです。
それが出来るので、スレッガーとしては自分本位である事が周りとの調和になってしまいます。

自分を持ってるって事カ。
そんなスレッガーを象徴する様な出来事が起こります。
スレッガーとミライとカムラン
ジャブローを出発し、唯一の戦争中立サイド「サイド6」に立ち寄ったときに、ミライ・ヤシマは戦争で離れ離れになった元許婚のカムラン・ブルームと再会します。

カムラン・ブルーム
主に入圏管理を行う監察官で、親の権力に頼るお坊ちゃまです。
逆襲のシャアでも登場します。
カムランとしては運命の再会。
音信不通であったミライの気を引こうと躍起になります。
しかし戦争と時間と状況の変化で、既にミライの心は離れてしまっていました。
カムランは出航期限が迫るホワイトベースに対し、ベイの外でジオン公国軍が待ち伏せする状況下で、中立の立場を利用して水先案内で先頭を取り盾になると進言するのでした。
カムランの気持ちの表れと覚悟。
しかし、ミライはカムランの進言を頑なに断ります。
そのいきさつを見ていたクルーをよそに、スレッガーはミライを引っぱたいて説教し始めるのでした。
ミライには断りたい理由もあったのですが、カムランの死をも覚悟した上での進言をクルーが見ている前で軽く断りを入れるミライを少し自分勝手だと思ったのでしょう。
また、カムランの男としての気持ちを汲んだ上での行動なのだと思います。
その説教する光景に誰も口出しする事も無く、逆にみんなの信頼を得てしまうのですが、スレッガーとしてみれば特別な事をしている訳ではありません。
ただ自分の思っている事、相手の立場に立って考えてみた上で、平等に具体的に行動しているだけなのです。
もちろん 出航するホワイトベースの立場を考えれば、カムランの進言は受け入れたい事でもあります。
悲しいけどこれ、戦争なのよね!
スレッガーは自分の信念に基づいて行動しているのですが、決して周りの人を犠牲にする様な事はありません。
そして、人の心にさりげなく触れてあげられる非常に優しい人なのです。
そんな行動や優しさは、なぜか 説教を受けて引っぱたかれたミライの心を掴んでしまいます。
その想いを受け、中途半端な人なら「お前のために生きて必ず帰ってくるぜ」と言うような思いっきり期待させることを言ってしまうのでしょう。
しかしスレッガーの優しさは、自分本位に生きている自分が相手を振り回し、いつ戦死してしまうか分からないのに期待だけ残して、結果 戦死して本当に一人にさせるのはスレッガーの意に反する行為。
出撃前に言い寄られたスレッガーでしたが、ミライの想いを察し、その場で断ってしまいました。
男らしく優しいスレッガーは、劣勢になりつつある戦局を見て、
「悲しいけどこれ 戦争なのよね!」
という言葉を最後にドズル・ザビが搭乗していたビグ・ザムに、迷いも躊躇も無く特攻し戦死してしまいます。

【動画】スレッガー特攻のシーンだヨ
本当に少しの時間でしたが、自分に忠実に生きたスレッガーはホワイトベース隊の精神的支柱となり、若いクルー達をまた一つ強くしてくれた意味のある大きな存在であったのです。
まとめ・考察
スレッガー・ロウについて記述しました。
スレッガーとは、「覚悟を持つ確立された個」なのだと思います。
それがあるので、目的と極論から逆算し自分の立ち位置を基準にして思うこと、考えることを言動に移せるのだと思います。
その覚悟や、中心点が無い人は考えがブレたり、結論が変化したり。。
また、確固たる自分がいるからこそ、これ以上は入り込めない領域だったり身を引く領域だったりをわきまえる事が出来る。
カムランに対する行動は、そこまで踏み込んでいいのかギリギリの事柄だったと思います。
しかし、結果的にカムランにとってもありがたい事であった筈です。
- 心離れるミライ。
- 引っ込みがつかないカムラン。
その場の一瞬の判断で事態を丸く治めてしまう思考や行動力は、ホワイトベース隊の若いクルー達の幼さを自覚させる、ひとつの要因であったかも知れません。
しかし、最後は泣けますね。。

いいヤツってのは、いつも先に逝っちまう。。

すんません。
以上 余談でした~。
とても楽しく読ませていただいています。
ファーストガンダムを鑑賞中の私の隣でいつもぼんやりとしか見ていない妻が
スレッガーにだけは激しく反応します。
「この人は死なない人だよ、絶対宇宙遊泳して生きて帰ってくる」と。
間違いなくスレッガーに惚れてる様子なんですが、ハードル高すぎますよね。
男から見てもいい男ですもん。
髪質だけスレッガーさん
コメントありがとうございます。
スレッガーのこの記事を書いていた時、目頭が熱くなる事が多々ありました。
文章を起こし、それを整理・校閲し、スレッガーの理解と解釈が深まるにつれ、マジで惚れてまうやろ。。
自分のパーソナルエリアを持ちつつも、柔軟と素直を兼ね備えた見た目と異なる繊細な「漢」。
たまらん。俺にはできん。
しかし、いいヤツってのはいつも先に逝っちまう。
ただ、髪質がスレッガーなのはかなり厄介ですね。。