所属 | 地球連邦軍 |
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出身地 | 不明(どこかのサイド) |
所属部隊 | 第13独立部隊(ホワイトベース隊) |
年齢 | 18歳 |
階級 | 民間人 → 少尉 |
能力 | モビルスーツパイロット |
カイ・シデンは皮肉屋で、俗に言う「不良」でもあり、屁理屈ばかり並べる ろくでなしでした。
しかし、戦いの中で戦争に対する意識も変化し、ホワイトベース隊のモビルスーツパイロットとして成長しながら、存在感を強めていきます。
カイ・シデンはどのようにして戦争に巻き込まれ、どのような意義を抱きながら一年戦争を戦い抜いたのでしょうか?
不良少年 カイ・シデン
カイ・シデンは、父親がコロニー建設に携わる技術者であった為、その都合によりサイド7で生活していました。
そのサイド7は、ホワイトベース入港を皮切りに事態が一変。
追跡してきたザクⅡがコロニーの中でホワイトベースに対し攻撃を開始し、戦闘状態となります。
そんな中、ガンダムが出撃しザクⅡは撃破され、一旦は戦闘が沈静化しましたが、カイ・シデンも行き場が無くなり、殆どの民間人と同様、入港していたホワイトベースへ逃げ込む事になります。
奇襲攻撃を受けたホワイトベースは、多くの正規クルーが死傷してしまった為 カイと同じ境遇の避難してきた民間人が救援活動 及び、その補助を行う事になりました。
しかしカイは、それを目の当たりにしても手伝おうともしません。
自分さえ良ければそれで良いという感じで、文句は言う、皮肉は言う、何もしない・・・
モメ事の発端はカイ・シデンである事が多かったのです。
しかし、戦争はその甘えを許してくれるわけでもなく、建設重機の免許を持っていた事もあり、無理矢理モビルスーツのパイロットにさせられます。
ベルファストでの出来事
嫌々ながらホワイトベースのクルーに、パイロットになったカイ・シデンでしたが、甘ったれた根性は直らず、オデッサ作戦終了後にホワイトベースの修理のために立ち寄ったベルファストで下艦してしまいます。
そこで、ジオン公国軍スパイのミハル・ラトキエという少女と出会うのでした。
スパイ107号と呼ばれていた民間人
ミハル・ラトキエだヨ。
カイ・シデンは、ミハルがジオンのスパイだと察したのですが、ミハルには幼い妹弟たちがいて、それを一人で養っている事も同時に知ってしまいます。
状況はどうであれ、両親を亡くした女の子とその妹弟が、生きるために必死で現実に立ち向かおうとしている姿を肌で感じ、同情するのでした。
ミハルとの死別と戦争への意義
ミハルはカイに接触できた事で、ホワイトベースの色々な情報を掴んでいました。
しかし、その情報はカイの浅い認識から発言されたもので、ミハルはその情報を元にジオンから支給された純金を引き換えとして、単身ホワイトベースに潜入する事になります。
その同じ頃、カイは気が変わりホワイトベースに戻っていたのですが、偶然にも潜入したミハルを発見してしまい、成り行き上、思わずかくまってしまいます。
ホワイトベースに潜入したミハル・ラトキエからもたらされた情報は、潜入を命じたジオン軍に届き、その後、ホワイトベースは そのジオンからの攻撃を受けて、そのままを戦闘状態となり、ミハルは巻き込まれて命を落としてしまいました。
カイ・シデンは、自分の軽はずみな言動により、ミハル・ラトキエの妹弟からミハルを結果的に奪ってしまったのです。
そこでカイは改心します。
カイ・シデンはミハル・ラトキエの命を奪ってしまった責任を自分に課し、後悔の念と共に一年戦争と向き合おうとしました。
一年戦争とカイ・シデンの成長
ジャブローに到着し、再び宇宙へ向かったホワイトベース隊。
カイは引き続きクルーとして、パイロットとしてホワイトベースに乗艦しました。
自分の意見をズバズバ皮肉たっぷりに発言したりする態度は変わりませんでしたが、それは今までと違い、ホワイトベース隊にいい結果をもたらすヒントとなって、次第に受け入れられるようになっていきます。
カイ・シデンは、モビルスーツパイロットとしても立派に成長し、やがて地球連邦軍内でもトップランクに入る実力を身につけます。
囮でもある最前線のホワイトベース隊で、終戦まで戦い抜いた実績は、優秀なパイロットとしての証です。
その相棒でもある機体
ガンキャノン
戦乱を乗り越えて一人前の戦士へ成長していったのです。
一生晴れる事のないカイ・シデンの無念
一年戦争が終結し、カイ・シデンはベルファストへ行ってみましたが、ミハルの妹弟達はそこから居なくなっていました。
ミハルの妹弟達。
左からミリーとジル。
結局カイ・シデンはその妹弟達とは会えず、一生ミハル・ラトキエと妹弟達への罪悪感が晴れる事は無かったようです。
カイ・シデンは、Zガンダムでフリージャーナリストという形で登場し、世界を駆け回っているのですが、本当の目的はその妹弟達を探す為とも言われています。
ガンダムで、このベルファストの話は最も泣けるシーンです。
空想アニメであるガンダムですが、戦争の悲惨さや人の尊さ等をリアルに表現している優れた作品だと感じさせられます。
まとめ・考察
カイ・シデンについて記述しました。
カイの人生において大きなインパクトを与えた、このベルファストでの出来事。
無責任な言動が大切な物を失い、取り返しのつかない要因となる事を身をもって経験しました。
成り行き上、ガンペリーで出撃したカイ。
それに同行したミハル。
カイは仲間を守るため。
一方のミハルは、自分の妹弟と同じ年齢位のカツ・レツ・キッカが敵に立ち向かおうとする姿を見て心を動かされ、カイと共闘してジオンを倒そうとしました。
現実・良心・若さ・責任が交錯し、行動を起こしたことで命を落としてしまったのですが、ジオンに加担してでも妹弟を養おうとしたミハルを責めるべきか?
カイの無責任な言動を責めるべきか?
これらの事や、その発端である一年戦争を責めても、何も変わらない現実。
見方を変えれば、プロに成り切れていない素人の様な甘さ。
しかし、それは当たり前で、プロに成り切れる事など無い少年や少女を駆り出さなくてはならない疲弊した、非生産的な戦争の実態。
やり場のない悲しみと、カイの成長を感じてしまう一年戦争の、ガンダムの一番の見処だと思います。
ミハルは、ホワイトベースに潜入する前、手に入れた純金を妹弟に渡し、今生の別れを告げます。
あの妹弟はその後どうなったのか。
嗚呼、何度見ても泣けてくる。。
以上、余談でした。(涙)
救援活動を手伝わず言い訳したカイ・シデンはセイラさんにも怒られました。
「軟弱者!」