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ジオン公国軍は、緒戦のブリティッシュ作戦とルウム戦役を失敗してしまった事を受け、南極条約を皮切りに自国の国力増大と戦争の長期化に備える事を目的とし、地球連邦軍の基地や施設等を奪取する「地球降下作戦」を発動させました。

ターゲットとなる兵器製造工場や拠点は、施設冷却や製造上の問題で大量の水を使用する事が多く、その影響から、かなりの割合の拠点が水域に近接しています。

ジオン公国軍は、これらの拠点の破壊を最小限に留め、最短で効果的に奪取する事に対し水陸両用モビルスーツの運用を決定しますが、どの様な運用方法と作戦を想定して水陸両用モビルスーツは開発されていったのでしょうか?

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旧世紀と宇宙世紀における「水中戦」の違い

旧世紀(現代)における水中戦は、潜水艦による無視界戦闘が主で、ソナーや音探知機により心理戦や頭脳戦による駆け引きがメインとなっています。

例えばアメリカ軍のバージニア級原子力潜水艦などは最高巡航速度は34ノット(約63km)程度で、唯一の武器である魚雷の速度についても60ノット(約111km)程度です。

これに対し、水中用に開発されたモビルスーツの運動能力は、巡航速度70ノット(130km/h)を超える機動性を誇り、魚雷のみならず手足を使った接近戦に持ち込む事ができます。

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巡航速度70ノットを誇るゴッグ
腕のクローは、艦船等の破壊を行ったり、作業用マニュピレーターとして利用することも可能です。

この様に、水中運用される水中格闘戦を想定したモビルスーツは、旧兵器を大きく凌駕した全く異なる運用が可能となるのです。

この事で、水中での戦闘能力向上と、浮力による自重の相殺ができるメリットをジオン公国軍は活かそうと考えました。

旧世紀と宇宙世紀における「上陸戦」の違い

上記によって水中戦を制し、地球連邦拠点の制圧活動に移行するのであれば、上陸し拠点への攻撃を行う事になります。

旧世紀(現代)では、

  1. 制空権の確保(敵の反撃に対応)
  2. 上陸ポイントへの援護攻撃(艦船からの攻撃により混乱を作る)
  3. 揚陸援護(揚陸艇やヘリ等により部隊や武器の投入)
  4. 拠点制圧(投入された部隊により戦闘を開始)
旧世紀戦略
多数の部隊・人や兵器を同時に投入する必要があります。
大々的な感じですね。
※図のクオリティは気にしないで下さいな。。

これらのプロセスが必要となります。

しかし、水陸両用モビルスーツを運用すると、上記1と3をオミットする事ができます。

言い換えるなら、大幅に部隊や人員を削減しつつ同等以上の効果を得ることが出来るのです。

水陸両用モビルスーツ運用時は、

  1. 上陸ポイントへの援護攻撃(モビルスーツ搭載艦船(潜水艦)による攻撃)
  2. モビルスーツの機動力・堅牢性・攻撃力により一気に拠点へ侵入及び破壊殲滅活動の開始
宇宙世紀戦略2
旧世紀の戦略に比べ、モビルスーツの能力によって色々な局面を対処でき、大掛かりな攻撃も省けるので、施設の破壊を最小限に留めて攻略ができます。
※赤いのはマッドアングラーのつもりです。あしからず。。

隠密性も相まって、奇襲攻撃という形にもなります。

最小限の部隊・兵器編成で短時間で甚大な被害を与えることが出来るのです。

ポケットの中の戦争の冒頭、サイクロプス隊が北極の地球連邦軍拠点を制圧・ガンダムNT1を奪取する作戦は、このプロセスが用いられています。

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北極拠点制圧時に使用されたハイゴッグ。
背面にジェットパックの後付装備が可能で、陸上でも高い機動力を誇りました。
軽量化された代償として堅牢性を失い、機体強度は低下しました。

ジオン公国軍の海洋部隊の充実と衰退

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この様に、旧世紀と比べ水陸両用モビルスーツを利用した戦術は、機材や部隊さえ整えれば、最小の労力で最大の効果を得られる可能性があり、キシリア・ザビ少将はそこに着目し、海洋部隊の充実を急がせました。

しかし、水陸両用モビルスーツはその運用方法から隠密性の確保、機体強度、堅牢性を兼ね備える必要があり、一体型モノコック構造であることが一般的で、その影響でメンテナンス性能を大きく損なってしまいます。

海水などの水中運用が主な機体のメンテナンス性能が損なわれると言う事は、維持するためのランニングコストが増大し、しかも主戦場が水域近辺だけという汎用性の低さから、地球連邦軍の1/30以下と言われるジオン公国の懐事情では、充実した部隊編成と機体性能維持に対し負担が重く圧し掛かります。

この事から、一年戦争以降は水陸両用モビルスーツの量産・開発は積極的に行われなくなり、サブフライトシステムを用いた空からの制圧作戦や、可変モビルスーツの誕生により、より制圧作戦のスピードと省力化が進んだ為、水陸両用モビルスーツの活躍の場は次第に失われていきました。

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グフとの連携をするサブフライトシステムの例。
空域を制しつつ、上空からモビルスーツを降下させて拠点制圧活動に移行します。

確かに水陸両用モビルスーツは、水域に近接する施設を制圧する作戦に順応する最適な機体であったと思いますが、苦し紛れで行った地球降下作戦の失敗や、先に述べたメンテナンスやコストの問題。

その活躍の場を与えられる事無く、短期間で地球侵攻が失敗した事など不利な要因が重なり続け、水陸両用モビルスーツの価値が上がる事はありませんでした。

まとめ・考察

ジオン公国軍は、与えられた立場や環境から、モビルスーツの運動能力を活かしながら隠密性も確保しつつ、水中での自重の相殺が出来るメリットを活用して海域を制圧しようとしました。

しかし、水陸両用モビルスーツの地上での運動能力は、ジム等の汎用型モビルスーツと比べ劣ります。

モビルスーツとしての能力こそ保持していますが、水冷式ジェネレーターの採用やモノコック構造等の水陸両用モビルスーツ独特の構造や機構から、自重が増す事で運動能力が損なわれているのです。

地球連邦軍がモビルスーツを配備する前は、圧倒的威力を発揮して拠点制圧を成功させていたのは確かなのですが、地球連邦軍がモビルスーツを保有し、配備していった事で次第に陸上における戦闘は不利となっていき、その価値が大きく損なわれてしまいました。

一時、水中にモビルスーツを誘き寄せて仕留める戦術なども見られましたが、やがてそれも見破られ歯が立たなくなっていきます。

地球降下作戦により、降下ポイントを広くしすぎて補給が行き届かなくなり、戦争膠着状態に入って無駄な浪費をしてしまった事がジオン公国軍にとっては大きな痛手となりました。

その影響で、海洋部隊も例外なく満足な作戦行動が行えなくなってしまったのです。

この失敗が無く、地球連邦がモビルスーツを配備する前に拠点の制圧活動を活発に行う事が出来ていれば、海洋部隊と水陸両用モビルスーツの価値は高いものであったかも知れませんね。

すんません。

以上、余談でした~。

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