ミノフスキー粒子散布下では、その特性によりレーダー等の観測機器は、ほぼ全て機能停止に陥ります。
この場合、電波を利用する通信も例外なく機能不全に陥る訳ですが、戦闘中に通信が不通になると言う事は、部隊指示や命令などが不明瞭になり統率が取れなくなってしまう可能性があります。
もちろんこれは地球連邦軍、ジオン公国軍 双方にとって、よい事ではありません。
そこで、ミノフスキー粒子散布下でも通信ができる技術が必要とされ、「ミノフスキー通信」が開発される事になります。
ミノフスキー粒子散布下でも通信を可能とした「ミノフスキー通信」とは、どの様な物なのでしょうか?
ミノフスキー通信の原理
唐突ですが、糸電話ってご存知ですか?
おそらく ガンダム世代の人であれば小学生の頃、図画工作や理科の時間に作った事があるのではないでしょうか?
原理は簡単で、糸を振動させる事で音を遠く離れた人に伝えるという物です。
下図を参照にしてください。
糸電話は、物理的に振動を伝えているので、電波を吸収してしまう特性を持つミノフスキー粒子散布下でも影響なく使うことが出来ます。
しかし、戦争しているのに糸電話なんか使うことは出来ません。
ミノフスキー通信とは簡単に言うと、この糸電話の応用なのです。
ミノフスキー通信の仕組み
ミノフスキー通信は、糸電話の「糸」の変わりにミノフスキー粒子を振動させて情報を伝えます。
ミノフスキー粒子は、その場や空間に電波撹乱が起るほど多く(これを戦闘濃度とも言います)散布すると、立法格子状に整列する性質を持っています。
ミノフスキー通信の仕組みとは、この立方格子状に整列したミノフスキー粒子をつなぎ合わせ、糸電話で言う「糸」に置き換えて情報を振動により伝達させているのです。(下図参照)
これがミノフスキー通信の仕組みです。
上図では糸状にミノフスキー立法格子が整列していますが、本来 戦闘濃度であるなら周囲一体がこの立法格子だらけです。
振動する部分だけの立法格子を表記しています
この様な仕組みになっているので、逆にミノフスキー粒子が散布されていない場所では、ミノフスキー通信は使えません。
ミノフスキー粒子が無い場所では従来の通信技術を使用します。
ミノフスキー通信の短所とサイコミュシステム
電波通信にかわる技術として一年戦争時にも多用されていたミノフスキー通信ですが、この技術にも短所が存在します。
ミノフスキー通信は上記したように、単純な物理的要素を主に取り入れた技術ですので、大容量の情報などを送る事は出来ません。
ですので、会話などの簡単な通信や解析度の悪い映像などのやりとりが限界で、快適な通信環境にはなりませんでした。
また、情報を伝達する役割のミノフスキー立法格子を操作・制御することが難しく、安定した通信状態を確保する事もできませんでした。
そこで、大容量の情報を安定して操作・制御する技術が求められる訳ですが、この問題を解決する技術が一年戦争中に開発・実用化されます。
それが、ニュータイプを戦争の道具としてしまったあの技術「サイコミュシステム」です。
まとめ・考察
部隊活動=連携の為にコミュニケーションが大切になってきます。
モビルスーツ部隊も基本的に3機~5機程度の編隊を組み活動する事が多かったようですが、ミノフスキー粒子散布下の中でコミュニケーションが取れなくなるというのは、部隊編成や兵器そのものの在り方が問われる事に直結する事項でもあります。
それを上手く解決してくれたのがこのミノフスキー通信であった訳ですね。
ミノフスキー技術はあらゆる研究に用いられていて、ビーム兵器やモビルスーツの駆動システム、本記事の通信技術にまでも応用されています。
しかし、次の記事に記述する通信技術「サイコミュシステム」は、一年戦争の中で化学者が持つポリシーを悪い方向に走らせた最悪の補助兵器と言える物です。
技術とは本来、生活を便利にする為に発想されるべき物ですが、現代でもそれらは必ずと言っていいほど武器や兵器に応用されています。
その象徴とも言える「サイコミュシステム」
ミノフスキー通信とニュータイプ能力を掛け合わせたこの技術については、次の記事で解説してきます。
ンん? どういうことカ??