ジオンによる連邦軍本拠地ジャブローの攻略失敗後、主な戦闘域は「宇宙」へと移っていきます。
この時 終戦間際。
ソロモン攻略戦は12月24日に開始され、終戦を意味するグラナダ条約は1月1日での締結。
この9日の間に色々なイベントや作戦が重なるように続きました。
- ソロモン攻略戦(チェンバロ作戦)
- ソーラレイ計画
- 和平交渉
- 星一号作戦
- グラナダ条約
これらの時系列が交じり合っていて「なんかよくわからんなー」と思う事があったので、表にまとめてみました。
一年戦争末期の時系列まとめ
※スマホでご覧の方は、横画面で見たほうが見やすくなります。
出来事 時系列 | ソロモン攻略戦 | ソーラレイ計画 | デギン公王の 和平交渉 (未遂) | 星一号作戦 | グラナダ条約 |
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12月22日 | サイド3・マハルから 150万人の強制 疎開が開始 | ||||
12月24日 | 連邦軍 チェンバロ作戦 開始 | ||||
ソロモンへ けん制と同時に ソーラー・システム 展開開始 | |||||
ソーラー・システム 照射 ビグザム迎撃 | |||||
12月25日 | ソロモン陥落 連邦拠点 コンペイトウと改名 チェンバロ作戦 終了 | ソーラレイ計画 承認 建造開始 | デギン公王 ダルシア首相へ 連邦との和平交渉の 打診指示 | ダルシア首相 サイド6へ コンタクトを開始 | |
12月29日 | 連邦軍 星一号作戦 発動 | ||||
12月29日 ~ 12月30日 | ソーラレイ完成 稼働開始 | デギン公王 和平交渉へ出発 | レビル将軍 含む第一大隊 和平交渉 ポイントへ到着 | ||
12月30日 21:05 | ソーラレイ ゲルトルバ 照準で発射 | デギン公王 ソーラレイ直撃 死亡 | 和平交渉 ランデブー中に ソーラレイ直撃 第一大隊壊滅 レビル将軍死亡 | ||
12月31日 0:00 | 連邦軍 星一号作戦 継続強行 艦隊再編開始 | ||||
12月31日 未明 | ギレン総帥による 「カスであろうと」 演説 | ||||
12月31日 5:00頃 | 連邦軍 艦隊再編完了 侵攻準備へ移行 | ||||
12月31日 8:00頃 | 連邦軍 第一波攻撃 侵攻開始 | ||||
12月31日 9:30頃 | ギレン総帥 キシリア少将に 射殺される | ||||
12月31日 12:00頃 | キシリア少将 脱出失敗 死亡 | ||||
12月31日 15:00頃 | 戦闘が消散 状態となる | ダルシア首相 ザビ家死亡 を確認 | |||
12月31日 夕刻 | 星一号作戦 終了 連邦軍勝利 | ||||
12月31日 18:00頃 | ダルシア首相 サイド6を通じ 終戦協定打診 ジオン 共和国制へ 移行 | ||||
1月1日 | 月面都市 アンマンで 予備折衝が 連邦ジオン 両政府間で 行われる | ||||
1月1日 15:00頃 | 月面都市 グラナダにて 条約締結 一年戦争終結 |
一覧にして読み取れるギレン総帥の思惑
ギレン総帥は戦争早期からソーラレイを使う想定があったのだと思います。
開戦当初はブリティッシュ作戦による短期決戦を想定していました。
しかし、仮に地球侵攻が難しくなった場合、宇宙での決戦は予見できます。
しかも攻め入られる状況になった場合、一網打尽のソーラレイは必須の切り札として手元に残しておいたのでしょう。
この表のイベントの中で、一番最初に動き出したのはマハルからの強制疎開。
すなわちソーラレイ計画の実働的な始まりを意味します。
しかしながら、ジャブロー攻略が失敗し、マハルの疎開が始まるまでのおよそ一か月はジオンは大きな動きを見せていません。
ではその間、何をしていたのか?
サイド3での本土決戦までの複数のシナリオや作戦を立案。
その中に、ソーラレイを組み込めるかなど様々な準備を進めていた。
と思える内容を下記にまとめました。
ソロモン攻略戦でのギレン総帥のシナリオ
以前、こんな記事を書きました。
この記事の下部のまとめの中で、
ギレン総帥はドズル中将の気質や性格を踏まえ、ソロモンに増援を送ろうとしても、プライドも相まって増援を断るだろう。(実際に断った)
ソロモンが陥落する様な事になろうと、事前にビグ・ザムを送っておけば、相打ちしてでも連邦の数を減らすだろう。
的な内容を書きました。
ギレン総帥はソロモンで連邦の数を減らせれば、ソーラレイと本土決戦で勝利できると目論んでいたのかも知れません。
ソロモン陥落 < 連邦軍の数が減る
つまり、ドズル中将は連邦減らしの人柱としてギレン総帥に「使われた」可能性があります。
ギレン総帥の中ではソロモン陥落は想定内だったのかも知れません。
和平交渉でのギレン総帥のシナリオ
ソーラレイ計画で肝心な事は、一網打尽です。
一撃で数を減らす。
ということはどこかに敵を集団でおびき寄せなければなりません。
和平交渉 デギン公王の想い
ソロモン陥落時点で、デギン公王が思う事として、
ソロモン陥落で形勢が一気に不利になったし、ガルマに続きドズルまで死んでしまった。。
なんて悲惨な事態だ。
これ以上不毛な戦争は続けられない。
総帥の地位を利用しギレンは言うことを聞かん。
どうせ敗色は濃厚なのだから、和平交渉の準備を進めていこう!

こんな風に思うのは、ギレン総帥にとって想定内であったのでしょうか。
そこに、ソーラレイ計画を持ち込まれたデキン公王は、あきれて計画承認のサインをしてしまったのではないかと思うのです。
和平交渉の準備も進めているし、変に抵抗してギレンの心情を逆なでするより、承認して泳がせておこう。

これがデギン公王が、ソーラレイ計画承認にサインをした理由ではないでしょうか。
和平交渉 ギレン総帥の想い
一方のギレン総帥は、切り札であるソーラレイ計画を絶対に成功させなければなりません。
では、どうやって敵を集団でおびき寄せるか。
デギン公王は戦争を終わらせていと思っているな。
次の作戦の準備を示唆してあおってみれば、和平交渉に出かけてくれるかも。
ソーラレイ計画はすでにマハルからの疎開も終わっていて事実上、進行中の作戦だけど、あえて承認を取りに行ってみよう。

つまり、ラスボスとも言える公王自ら和平交渉にでかけてくれれば、対面上、敵をおびき寄せられる。
と考えていたのではないでしょうか。
デギン公王の戦死 想定以上の成果
- ソロモン陥落も想定内。(敵の数を減らせた)
- デギン公王が和平交渉に出かける事に拍車をかける。(敵をおびき寄せれる)

ソーラレイ計画の承認を受ける様子だヨ。
デギン公王は案の定、和平交渉に出発しました。
公王自ら和平交渉に向かうと言う事は、それ相応の対面がある。
その時、連邦軍は星一号作戦の展開中でレビル将軍率いる第一大隊は、和平交渉の一報を聞き進路を変更。
集結ポイントに向かいました。
目標はゲルトルバ
ギレン総帥は、敵将と主力艦隊を殲滅した上に政敵でもあった父デギンを躊躇なく撃ったのです。
星一号作戦 狂ったギレン総帥のシナリオ
仕掛けた戦争に何としてでも勝利しなくてはならないジオン公国軍
その責任は一手にギレン総帥の手の中にあり、敗北はギレン総帥や一族の「死」を意味します。
この時点で、ギレン総帥の想定していた状況は、
- 防衛拠点の一つ、ソロモンの陥落(想定内だし、敵の数は減った)
- 敵将レビルの死亡と、連邦軍 第一大隊の殲滅(敵の数が大幅に減った)
いける!
と言うのが星一号作戦時のギレン総帥の感触であったと思います。
しかし、問題点が大きく2つ。。
ソーラレイによる連邦軍の損耗は、宇宙軍全体の1/3程度だった。
キシリア少将を軽視していた。
連邦軍の損耗の見立て
ギレン総帥は、ソーラレイによって連邦軍の半数以上を殲滅したと考えていました。
確かに主力艦隊である第一大隊とレビル将軍を討った事は事実です。

第一大隊は、ソロモン攻略戦で切り札となったソーラー・システムの輸送も担っていテ、モちろんそれも壊滅したヨ
故ドズル中将の名言、

戦いは数だ!
の言葉とおり、敵の数を減らすのは重要な要素です。
しかしギレン総帥の思惑に反し、宇宙軍全体の1/3程度しか数を減らせてはいなかったのです。

敵戦力の把握をギレン総帥が自らカウントしたのか、専門部署がカウントしたのかは不明です。
ミノフスキー粒子が濃く、正しく把握できなかった筈ですね。
星一号作戦において、地球連邦軍は総力を挙げて侵攻してくると想定し、ア・バオア・クー正面のNフィールドから突破してくると見込んで、Sフィールドの戦力を割いてNフィールドに送り込んでいます。

しかし、連邦軍には戦力を2分する余力は残されており、再編された第一大隊のSフィールドから侵攻に対し、ア・バオア・クーの防空は脇を突かれ、上陸を許してしまいました。
キシリア少将へのケア
キシリア少将はザビ家の兄弟の中で唯一の女性です。
デギン公王もキシリア少将については信頼と寵愛をおいていて、キシリア少将もそれに応えるべく、ギレン総帥についての懸念や不満を聞いたり、それに呼応し裏でいろいろと暗躍していました。
戦争下、極限状態であるにせよ親族の存在は唯一の心の拠り所だったかも知れません。
キシリアの野心
ギレン総帥の政敵がデギン公王であった様に、キシリア少将にも政敵はいます。
もちろんギレン総帥です。
家族の絆のうんぬんより、キシリア少将にとって大儀は実権を持つこと。
すなわち、ギレン総帥がデギン公王を撃ったように、なにかしらの理由にかこつけてギレン総帥を抹殺したいのです。
- 泥を打てば面へはねる
- 人を呪わば穴二つ
ギレン総帥のシナリオ・思惑は、思い描いていた異なる形で幕を閉じました。
グラナダ条約 ザビ家の壊滅
キシリア少将も結局はザビ家に恨みを持つシャアに殺されてしまい、ザビ家は全滅しました。

ドズルの娘、ミネバは母と共に脱出したヨ
コの時、まだ0歳でス
12月25日にデギン公王から指示を受けていたダルシア首相は、コンタクトをとっていたサイド6を通じ、ザビ家壊滅を確認した後にスムーズに終戦協定へ持ち込みました。
終戦協定は締結。
ジオンの独立戦争は、ジオン敗北で決着しました。
まとめ・考察
戦争に勝利する。
これはザビ家全員の一致したベクトル。
しかし、プロセスがバラバラで統一されていなかった事で、ギレン総帥の思惑は元も子もない形になってしまいました。
ギレン総帥もプライドが高すぎて誤解も招いていたでしょうから、理解者や参謀を側近に置くべきだったのでしょう。
みんな我が強かったので、バランサー役がザビ家内にいれば、また違う形になっていたのか。
そうなると、開戦前に暗殺された次男 サスロの人隣りが気になりますね。

財界やメディアに精通し、ザビ家の政治活動を主導する立場でしたが、そんな役割ならそれぞれの立場を理解し、忖度や折衷案など提示できたかも。。
でも、多分キシリアがテロに見立てて暗殺したんだよなぁ。
と言う事は、ザビ家のガンはキシリアだったのか。
ちなみに「機動戦士Gundam(ガンダム) GQuuuuuuX」は、ジオン勝利のパラレルワールドの世界の話です。
ジオンが戦争に勝利するまでの話も盛り込まれています。
これがとても興味深かった!
観てない方は、是非劇場へ!!


すいません。
以上 余談でしたー。